ストレス耐性はこうして強靭になった

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中堅営業マン河村操の時代。日々強烈なストレスに襲われていた。ノルマという重圧が中堅営業マン河村操を襲う。その不安定な精神状態に当たり前のように飛んでくるクライアントさんからの理不尽な要求や正当な依頼。

普通ならやり過ごせるちょっとした相手のミスも、そんな精神状態時にふってくると強烈なフラストレーションになる。負のスパイラルでいらいらが募る。それを夜のネオン街週末の趣味で解消するというパターンで生きてきた。

当初はそれで何とかなっていたストレスの量がどんどん増えてきた。解消できなくなってきたのだ。週末はなくなり1日の就業時間も増えてきた。集中力がなくなり作業効率が落ちる。ノルマがさらに重くのしかかってくる。

ノルマ自体は変わらない1000万。作業効率が落ちるとそのノルマが2000万に感じる。そういうことだ。1000万は会社が決めたもの。それを正しいとした。会社が決めるのだから適正に割り振られているという仮説をたてた。

そう。そういう風にすることでストレス自体を発生しないようにしたのだ。詳しく説明しよう。

個人に割り振られているノルマ。会社は一定のアルゴリズムにのり割り振っている。だからある程度整合性があるというが実体は不明だ。ただしいかも知れないし、そうじゃないかも知れない。となりの営業マンが達成していたら、自分のノルマは高すぎるのじゃないかと簡単に思ってしまう。そうなると、ノルマに信ぴょう性がないと途端に達成意欲がそがれる。即ストレスに変わる。

そこをまず変えた。このノルマ、会社が完璧なアルゴリズム、市場調査を行ない、決められた完璧な数字だと仮説をたてる。思いこむ。そして、それを裏付けるデーターを探す。この場合は簡単。決めた上司に聞けばいい。「課長、このノルマ凄いですね。過去のデーターが見事に反映していて、エリアとの整合性が取れているとおもいます。生意気言ってすみません、課長がきめられたんですよね」と言う。

そういわれて怒る上司はいない。どのデーターを持ち出して来て、他の担当者エリアとのバランスを考え決めたと言ってくれる。正しいかどうかなんて関係ない。正しいと言ってもらうことがこの場合大切なのだ。

これでこのノルマは間違いなく正しいと自分の中で決めた。するともう、ノルマに対して考えなくてよくなる。達成できないのは自分のせいだと思いこめる。問題が発生する可能性のある要因をひとつ消せたのはとてつもなくデカイ。

そうなってくると出来ない原因は私にある。達成できないのは私だ。がんばる。でも出来ない。市場に原因がある場合があるからだ。でも、そこで市場に責任を転嫁するのは得策ではない。自分でコントロールできないからだ。コントロール出来ないものに責任を持って行くのはあまりよろしくない。結局自分に帰ってくる。経験済みだ。問題は解決できていない。自己嫌悪におちいる。

ではどうするか。自分に責任を持ってきておいて、またそれを正当化するデーターを持ってくるのだ。例えばこんな事が書いてある本を探してくる。

ー営業は結果がすべてだ。会社や上司はあなたのプロセスを知らない。いちいちついて回って評価をすることが出来ない。だから結果で評価するしかないのだ。でも違う。そんなことは決してない。結果の数字だけで全てが見えるなんてありえない。

あなたの日々の積み重ね、プロセスが一番大切なのだ。今月は達成できなかったかもしれない、来月もさ来月も無理かもしれない。でも1年後には間違いなくノルマを達成できている。こんなに少ないノルマでいいんですかというレベルになっているかもしれない。

それほどあなたの今日あの店でやった仕事は大切なのだ。大丈夫だ。私は見ている。だから信じて突き進め。ー <営業の神様 ウリマ クリオ著>

こんな感じの本は本屋に行けば腐るほどある。それを適当に見つくろって読めばいい。あなたの行動を裏付けるするデーターを取ってくればいいのだ。それを読んで、俺は正しいと思って突き進めばいい。

私は夜の繁華街、週末のゴルフやサーフィンでストレスを消しきれなくなった時にそういう行動にでた。ストレスを発生しないようにした。ご都合主義だ。

今もそれは変わらない。安定収入がなくなり自営業が不安になってきたときは<フリーランスはパラダイス。上司がいない最高の人生>というタイトルの本を見つけ出し、俺、今日、いったい何時間Facebookやってんねん、大丈夫かと不安になった時は、<世界を救うFacebook、ザッカーバーグよありがとう>という本を買って読めばいいのだ。

やりがちなのが逆の動き。自営業が不安になる。そんなときに目につくのがこんな本<起業バカ、10年後に残ってるのは100件中1件。起業なんてやめなさい>や、Facebook中毒が嫌になってるときに<SNSは何も産み出さない。時間と金の浪費。今すぐやめなさい>。こういう本を読んではいけないのである。でもそうやってしまいがち。

物事には必ず賛否がある。あなたの考えを正当化してくれるデータは、よほど公序良俗に反していない限りどこかにある。それを探してきて裏付ければいい。

私はそれからストレスフリーになった。ストレスを解消する時間を他に当てられるようになったのはとてつもなくでかい。

おっと本屋に行かなければ、一日中パソコンの前で文章を書きまくっていることが、この世で一番尊い事だというのを裏付ける本を探しに行こう。