そこには事実しかない

シェアする

机を整理していたらこんなのが出てきました。

9年前のゴルフのハンデです。今は消滅しているのでこのハンデは無効です。

ゴルフのハンデやTOEICのスコアは数字で出てきます。そこには事実しかありません。

ゴルフのハンデってどうやって決めるかをご存じないかたが多いです。これはゴルフをやっておられる方の中でもそうです。

ゴルフのハンデは直近20回のスコアカードから算出します。直近20枚のうち、良いスコアーから上位10枚を選びます。そのスコアーの平均を出しハンデを決めます。正確に言うと少し違うのですが、おおむねそんな感じと思っていただければ問題ありません。

ハンデ3ということは良い10回のラウンドの平均スコアが75前後だということです。相当凄いですね。となると、いつも75くらいで回っているのとなるのですが、実はそうではありません。

スコアーの悪い下位10枚は計算に入れないからです。ということは極端な話し、上位10枚が75前後のスコアー、下位10枚が全部100前後でも、ハンデは3ということになります。この例は極端ですが、これでも公式ハンデは3になるんです。

ハンデ3の人がいつも75で回っているわけではなく、調子がよいときに75で回れるくらいの実力だよということなんです。

この事をあまり知らない先輩とゴルフに行った時のことです。先輩は私に聞きました。「河村。お前ゴルフ上手いらしいな。ハンデとか持ってんの?」と聞かれました。わたしは「はい、持っています。3です。」と言いました。「3?ほんまかいなあ、3って相当やで、ほんまかいな」「はい3です。」

生意気なんです私は。^^おそらく相当うっとうしい男なんです。でもハンデを聞かれたら自分のハンデを答えるしかないんです。そこには数字と言う事実しかないんです。ハンデ3ってハンデ3なんです。toeic670はtoeic670なんです。

それが凄いか凄くないかは他人の判断にゆだねるしかないんです。

まあ、ゴルフのハンデ3はほとんどの人にとって凄いのですが、例えばハンデ0やプロのひとからすればまだまだです。ハンデ18くらいの人から見ると信じられないほどです。ゴルフをおそらくされないきゃりーぱみゅぱみゅにとってみると、どうでもいい話しなんです。

英語も同じです。670点は全然駄目な人からすると凄いけど900点の人からみるとまだまだです。うちのおとんにとってはもはや何点がいいのかもわかりません。

なので答えるときに謙遜するのも、自慢げに答えるのも違うと思ってるんです。だから数字だけを答えるようにしてるんです。でもそれって、生意気に映りますよね。ハンデ3というのはほとんどの人にとって凄いのに、それを冷静に3ですけど、なにか、みたいな感じなんですから、先輩の心中もお察しします。

というわけで先輩の怒りを買ったままラウンドします。

先輩は私の実力を見たいわけです。下手やってみいこのやろうという感じです。先輩の思惑通りその日はドライバーが曲がりスコアーになりません。90というスコアーで終わりました。

ラウンド後、と言うよりずっと、「おかしい。そんな下手なハンデ3見たことない。ハンデ10のやつでもお前より上手い。絶対におかしい。」と先輩。「いやあ今日は調子悪いですね。ドライバーが全然なんです」

ゴルフってこういうもんなんです。石川遼でも80以上叩くときがあるんです。そんなもんなんです。だからハンデの算出時も、上位の10枚を採用するんです。きょうは下位10枚の日です。でも、そんなこと先輩は知りませんし、言っても聞いてません。

「お前おかしい嘘ついてるやろ」とずっと聞いてきます。「ついていません。ハンデ3です。」「いやおかしいハンデ3の奴がそんなゴルフするわけない」とあまりにしつこいので、とうとう切れてしまいました。

「先輩。ハンデ3って俺が決めたわけじゃないんです。JGAが決めたんです。ハンデ欲しいなら規定通りスコアーカードを全部出せっていうから全部出していたんです。今日のも当然だします。おかしいというならJGAに直接言ってもらえませんか。河村操と一緒に回ったけどどうもおかしい。彼にハンデ3をあげるお前たちはどうかしていると。すぐに取り消せと。」

「私は、県の公式試合にでるためにハンデを取得したんです。その試合にでるにはオフィシャルのハンデが必要だったからです。だから別にハンデはいくつだっていいんです。ハンデ3くれって言ったわけではないんです。そんだけ言うんだったら先輩が決めてください。それで行きますから」と。

先輩は滅茶苦茶怒っていました。ベテラン営業マン河村操なら「いやほんと申し訳ない。ハンデ3なんてもらい過ぎなんです。すみません。あきらかに実力不足です」って言います。でも先輩はクライアントさんではありません。なので普通の河村操が対応します。となると「ハンデ3」です。となるんです。社内でまわす気は一切残っていないんです。もう少し社内営業していれば、今頃もっと、となってるかも知れません。

toeicも同じなんです。私は英語が話せます。どれくらい話せるかは、話しているところを見てもらって判断するしかないんです。380点でかなり話せる人もいれば、900点だけど話すのは苦手と言う人がいます。toeicにはスピーキングのテストがないからです。

toeicの判断は900点持っている人は、リーディングとリスニングでかなりの実力がある。だから相関してスピーキングもこの程度は行けるだろうと判断しています。ですので、皆さんの認識も900点も持ってたらこれくらい話せるだろうと思っているわけです。900点持っているという人と海外旅行に行って、あれこれくらいしか話せないのと思ってもそれは仕方ないんです。

誰の責任でもないんです。900点はあくまでリーディングとリスニングの結果なんです。900点なのにそれだけしか話せないのって、いわれても知らんがなとなります。

私は過去に830点をとったことがあります。830点と言うのはかなり上位のほうです。830点もってたら凄いねえとなります。でも本人はそんなに凄くないと思っています。900点の人も同じだと思います。まだまだだなあと思っていると思います。

そこで謙遜します。「いやまだまだです。」嫌みにとる人もいます。こんなに凄いのに謙虚な人やととる人もいます。

ではと、得意げにします。「そうなんですよ。凄いでしょ。」気持ちいい男だなととる人がいます。同時に、なんやそれくらいでたかが英語やんけととる人もいます。

要はどう答えたってなかなか難しいんです。ベテラン営業マン河村操なら、瞬時に聞いた人がどういう意図で聞いてきてるかを判断し、その人にどう回答したら、その人が心地よいか判断して答えます。でも、普段もそれではつかれてしまいます。

だから私は、これからも事実は事実として伝えて行こうと思っています。わたしのtoeicスコアーは670点です。英語を教えています。その生徒さんは伸びています。こうやって言います。事実の列挙です。かわりにこういうと、

「私は恥ずかしながらtoeic670点しかありません。こんなスコアーで英語を教えるなんておこがましいですが、それでも生徒さんが教えてくれというので恥ずかしながら教えさせていただきます。」

こっちのほうがよほど慇懃です。

コミュニケーションって難しいです。