好きなことして生きていくってことには、これだけの覚悟が必要なのかも知れない

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雑誌の画像で見たのか、はたまた動画の映像で見たのか忘れたが、そのシーンは今でも強烈に私の脳裏に焼きついている。

インタビューアが学生だったか、社会人だったかに、質問した。

「すみません、ちょっといいですか」

彼が声をかけた相手は、おしゃれなサーファーとかスケーター風で、ロン毛を風になびかせ、公園だったか、キャンバスだったかの芝生の上に座っていた。アメリカだったと思う

「やあ、元気?いいよ、なんだって聞いてくれ」

って感じで、あまりにも軽く、とびきり明るく、顔にかかった髪をかきあげながら、インタビュアーに笑顔を投げかけながら言った。

「今、色々な人に、あなたが好きなこと、やりたいことは何ですかって、聞いているんだよ、あなたの好きなことって何?」

と聞いた。すると彼は、

「おお、オッケー、俺の好きなことだね、あるよ、もうまちがいなくこれしかないんだが、経済学だよ」

サーファー風の彼から、そんな言葉がでてくるなんて思っても見なかったインタビュアーは、もちろん、俺もだけど、驚いて

「経済学って、あの経済学?」

と聞き直した。無理もない、サーファーとかスケーターとかのあいだで交わされる、ストリートなスラングか、比喩表現か何かだと思ったんだろうね。すると彼は続けて、笑いながら

「そうだよ、経済学は経済学だよ。他に何があるってんだい」

といったあと、彼は、ほらこれみなよと、シャツだったか、ズボンだったか、忘れたが、それをまくって見せたのが、この絵だ
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「ほら見てみな、需要供給曲線だよ。美しいだろ、もう半端なく好きなんだよね」

と言った。

衝撃を受けた。見た目と経済学があまりにもあわなかった驚きと、タトゥーにしているってのに。おお、こいつ、すごいなあ、ここまで好きなんだ、こんなに愛しているんだと、鳥肌がたった。

あなたがもし好きなことをして生きていきたいと言っているとして、好きなことで起業しているとして、ここまで本気ですかってことなんだよね。それだけ、愛しているんだったら絶対になんとかなるよね。

おそらく彼は、経済学が学べるんだったら、死ぬ以外はなんだってするぜ、だって、経済学学べんでしょ、ここで朝から晩まで死ぬほど働けば。

くらいの覚悟はあると思う。

好きなことをそこまで追求して、しあわせになれるかどうかわからない。それで、飯をくえるなんて保証はなにひとつない、逆に、ここまでのめり込んだら、むしろだめかもしれない、食うって言う意味では。

でも、彼はきっとしあわせだと思う。タトゥーにするほど好きなモノと出会えたからだ。

あなたには、彼にとっての経済学みたいなのがありますか?もしあるのなら、それってほんとしあわせなことなんでしょうね。