日経平均450円下落。空売りってなに?

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強烈な下げに襲われたお盆休み前のマーケット。一旦売っておこうと思う人が多かったのか1日に400円以上下落した。強烈とはいいすぎかも知れないが最近のマーケットでは大きい下げ。株や指数を買って持っている人にとっては痛手となった。

ところがこの下げで儲けている人も実は当然存在するのだ。株だと空売りということになるし、指数だとショートするというような言い方をする。たまに投資とか投機とか株式の話になるのだが、そのときにこの空売りというのが、売りから入って儲けをだすのがよくわからないという人は多い。ちょっと解説しようと思う。株を例に。

買うのはわかると思う。証券会社は個別の株を推奨してくる。これからはミドリムシがきますよ、ユーグレナという株が今上昇しています。まだまだきますよ、どうですか?少しとか。

ガンホーがパズドラというゲームで何十倍にもなりました。次はmixiです。ミクシィのゲームはパズドラを抜いんたんですよ買いですよ、買いと、セールスが言ってくるのでよく分かる。あがる前に買っておき、あがったら売りましょうというものだからよく分かる。

でもおそらく、投資をはじめたところの人が証券会社のセールスから、任天堂はちょっと評価されすぎですね、売りましょうかと言われない。持っていないものを売るって感覚がわからないのだ。でもこういう取引方法があるのだ、それが空売り。

持っていない株をどうやって売るのか。前述の任天堂を例にとってみよう。あくまでも例なので実際の株価とは一切関係ないので了承しておいていただきたい。

任天堂が新しいゲーム機を発売するからということで最近株価が上がってきている。1ヶ月前は1500円だったけど今は2000円を超えてきた。いくらそのゲームが売れると言ってもその売上は全体の2%にしかならない。これは評価されすぎだと思ったとする。よし、任天堂は割高だと思ったらこれを売ることができる、持っていないのにだ。

お互いに信頼関係がある証券会社に任天堂の株を1000株ほど貸してと頼む。信用取引というのを結んでいて、保証金がある程度口座にあれば証券会社はあなたに株を貸してくれる。わかりました、じゃあ1000株お貸ししますね、その代わり少しレンタル料くださいねと、少しの手数料を払って借りる。

あなたはこの借りた株をマーケットで売る。2100円の株価がついているので2200円になったら売りますよとマーケットにサインを出す(指値という)するとまもなく2200円に株価があがる。まだまだゲームが売れると踏んでいる人がいるのだ。その内の1人に株が売れた。あなたは2200円×1000株で2,200,000円の現金を手にしたことになる(煩雑になるので手数料や税金については考えないこととする)

あなたは220万円一瞬で儲けた事になるのか?当然だがそうではない。そう、あなたは証券会社に1000株借りているのを返さないといけないのだ。さてどうする、今手元に株はない。

そう、返すために株を市場から買えばいいのだ。

2200円をつけた株はそこから更にあがり2300円をつけた。ところが2300円をピークに株価が一気に下がりだした。株価はとどまることを知らずに1700円まで下げたところで横ばいとなった。ここかなと思ったあなたは、1700円で1000株を市場から買った。あなたは170万円使って株を買った。そして、あなたはそれを証券会社にありがとうございましたと株を返した。

株を貸してまもなくそれを返してもらった証券会社は、貸していた間の利息と手数料分儲けたことになる。そしてあなたは、220万円-170万円で50万円儲かった。そこから、手数料と利息を払っても40万以上は儲かった事になる。

そうあなたは、株を売ることから始めて儲けたことになる。これが空売りの正体だ。株価が下がることによって喜んでいる人もいるのだ。

現在売られている株式が全て空売りできるかというとそうではない。銘柄は決まっている。そのあたりは実際に始める時に調べてもらいたい。このブログは株式の売買を薦めているのでもなんでもないから注意していただきたい。株式投資は完全に自己責任。あがるか下がるかは神のみぞ知る。市場参加者の実に90%以上が負けると言われているのでご承知の上でのぞんでいただきたい。

下がると思って売った任天堂株。予想に反して3000円になったらどうする。借りたものは必ず返さないといけない。あなたは300万円使って買戻し、証券会社に株を返す。220万円-300万円であなたは80万円損したことになる。株に絶対はないのである。

空売りの仕組みスッキリわかっていただけたとしたら幸いである。