2015FIFAクラブワールドカップ決勝の実況でアシスタントが放ったひとことが秀逸だった

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「リバー・プレートは球ぎわ、激しくいきますからね」

と解説者が言った。試合は前評判通りの結果となった。欧州チャンピオンのバルサが、圧倒的な攻撃力によって南米チャンピオンのリバー・プレートを3対0で下した。

バルサのパスサッカーを封じるために、積極的にプレスをかけ、足元にも厳しく行かないと、なかなかバルサを止められないですよねというニュアンスも含めて、解説者は言ったのだ。

それに反応して、アシスタントとして入っていた女子アナウンサーが放ったひとことが秀逸だった。

「そうですね、メッシもリバー・プレートの攻撃力には注意しないとと警戒している様子でした」

やられた。わたしは、テレビの前で大笑いした。スパイクの裏を見せて、足元の球際を狙って、激しくくるだろうけど、その攻撃力のことをメッシは言ってるんじゃないやろと、ひとりで突っ込んでいた。

サッカーに詳しくない人のために少しつけ加えると、サッカーで相手が持っているボールに対して、足を必死で伸ばして奪いに行く時に、ボールを狙って足を出すのは反則ではない。

ところが、ボールに当たらずに足に当たったり、足を引っ掛けて相手を転ばしたりするのは、反則で、ファールを取られる。なので、基本的には、ボールを狙うのだが、それだけでは、止められない事がある。なので、反則覚悟、もしくは、反則にみえないように、ボールに行っているようにしながら、足をかけたり、足の裏のスパイクの歯で、足を狙ったりするのだ。

とんでもない選手だらけのバルサに対して、反則スレスレもしくは、覚悟で、いかないと止められないよという意味もあって、リバー・プレートはガンガン行くだろうという事を言ったのだ。

半ば足を狙って行くだろうというその解説者のニュアンスを汲み取った女子アナは、それは、攻撃だよね、そういえば、メッシも、そう言ってたわ、今こそ絡む時よと思って、ひとこと放ったのだ。

いやいや違うよ。メッシが言った、リバー・プレートの攻撃力は、ゴールに向かって、点をとる、サッカー本来の意味での攻撃力だよ。格闘技さながらの、相手に対する攻撃力のことを警戒したのではないからね。

おそらく、この女子アナは、サッカーにそれほど精通してないのだろうね。
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(写真はイメージです)
以前、海外のゴルフ中継の、現地解説者の英語での解説を、同時通訳で日本語に訳していたテレビ番組をみたのだが、その通訳の人が、まったくゴルフを知らないのでひどいことになっていた。

ゴルフでは、グリーン上で、ボールがカップに向かってころがっていく軌道をラインという。もちろん、そのラインは、仮想のラインで、グリーン上に線が引いてあるわけではない。ところが、この通訳は、

「グリーンの上に引いてある線に、見事に沿って転がっていきます。線にのってます。いけ、いけ、はいった〜」

ってやってました。ゴルフを知っていたらそういう感じにはならないんです。

なにか、とてもおもしろいなあと思って記事にしました。