何でも知ってるものしり上司

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飲んでるとします。5人くらいでいいでしょう。

誰かが1人今彼が大変困っている問題について話しだしました。彼の様子からすると解決策を求めている様子です。はじめに、ここの見極めが大切です。共感してほしいだけの場合がありますからね。相当なやんでいる、よし解決してあげようと張り切って答えると肩透かしを食らうケースがある。

この問題を解決できなければ私、死んでしまうバリの相談と思ってこれは何とかしないとと思って答えると、いやいや、そこまでは悩んでないよって感じが返ってくる、ややこしいねん。話しが横にそれたので戻す。

今回は本当に解決策を求めているようだ、どうも、この問題に関しては私が回答者になる感じがする。私以上の適任者はいないだろう。でも、一応しばらく待つ。私以上の適任者がいて答え始めたら私は答えない。必要なら補う形になる。

やはり私のようだ、誰も答えないので、私が答え始める。彼が求めている答えを順を追って投げて行く、彼は妙になっとくしている。当然だが、構成は大事、オチから行くのか、ストーリーテラーになって導入から行くのか、状況に合わせて組み立てる。

今回は起承転結を大事と判断し投げた。そしていよいよ結に入ろうとしたそのとき、横やりが入った。何でも知っている課長さんだ。課長さんが自分の知識で答えだした。何でも知っているのでがまんできなかったんだろう。答え始めた。課長さんは何でも知っているので、この件に関しても知っていた。そんなに間違った事を言っていない、それなりに的確なアドバイスだ。

私は彼にまかせた。

舞台に観客が乱入してきて、代わりに演じ始めた感じだ。もうこの劇は終わっている。実に悲しい。私はまた舞台に立てばいい。しかもこんなことはしょっちゅう起こるので、全然平気。悲しいのは相談してきた彼を思うからだ。

彼はこの問題に関する最高の解決策を得ることなく終わった。もしかしたら、また同じことで悩むかも知れない。根本的な解決策を得ていないからだ。わたしの話しが最後まで続いたら、その確率はぐっと下がった。残念だ。

その上司も悩んでいる彼の事を思ってのアドバイスなのでいいのだ。上司も自分のなかで最高のものを提供しているはずだ。わたしのアドバイスのほうがいいと思っているのは私で、どっちのアドバイスがいいかなんて解らない。

問題は私のアドバイスが彼に最高の形で届いていない事だ。上司は私の話しが終わってからするべきだった。この上司は何でも知っているので、どの人間のどんな話にも必ず途中から入ってきた。彼と飲みに行くのは辛かった。

クライアントさんと商談しているほうが、まだ楽しかった。わたしには今日はちょっとという勇気がなかった。仕事が終わって居酒屋で乾杯。「おつかれ~」って。今からもっと疲れるわと思いながらグラスを合わせた。