上手いってどう

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質問力、聞き上手。

コミュニケーションを取る上で、こちらが上手に話すというのも大切だが、それ以上に相手の話を聞き、相手の思っている事、言いたい事を知る、感じるというのが大切だと言うのは昨今でなくてもずっと言われている。コミュニケーションが上手いと言っても、それはこっちの話が上手いとか話しかたが良いとかではないよという意味が含まれている。もっと相手を立てなさいと。

私もそこには激しく同意する。相手の事を顧みず、自分の事ばっかり話して行く時間泥棒もいるが論外である。コミュニケーションは50:50。相手とこちら、同等というのが基本。自分の話ばっかりしていてもしかたないのである。そういう意味においても、相手の話を聞く、聞き上手。相手の言いたい事、感じている事を引き出す質問力。とても大切だと思う。

ところが、問題はこの、上手いとか力という言葉。ここが、どうもひっかる。聞くのが上手いとか質問力があるっていうのは、こっち側の感じがする。そうすることで、そういうテクニックや武器を使う事で、相手から何か引き出したり、さぐったり、相手の心を読んだりしている。そんな感じが残るのだ。

それは良くない。全然駄目である。のべ何百人や数千人の営業マンと会ってきた社長やバイヤーは簡単に見抜く。こっちの状況を探ってきているなあと感じるわけである。そうなったらもうダメ。その場の商談は何とか決まったとしても、向こうは無意識のレベルで違和感を抱いている。だんだんとぎくしゃくしてくる。あいつは何か俺の事試している感じがするなあ、なんか嫌、ってなるのだ。

とうぜん、こちらも商売。相手の心を読んで知らないと、商談にならない。そして、そういう技術も使う。でも、もし、使うなら相当な手だれになる必要がある。中途半端に聞きかじったものでは絶対に踏み込んではならない。それなら、武器はつかわず正面からぶつかったほうが良い。

考えてみて頂きたい。相手が卓越した技術であなたの心の中を引き出した。すごい質問で魔法の質問であなたの心の中を引き出した。引き出した相手は、どうってドヤ顔。あなたどうですか、ちょっと嫌な気しませんか。

上手いって、ときにメンドクサイ。