モノゴトはできる限りシンプルに簡単にとらえる、作る、見せる。

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極限までシンプルにものづくりに取り組んでいたスティーブ・ジョブズをたとえにだすなんて、なんともおこがましいが、わたしの取り組んでいることは極めてジョブズに近い。力も器も技術も足元にまったく及ばないが、ものごとをシンプルにするという思いは負けていないと思う。

言葉の書いたカードを引いてその言葉からとる印象について語り合うというイベントがあって、わたしはその時『シンプル』というカードを引いた。主催者から、その言葉から連想するものはと聞かれ、わたしは、複雑と答えた。それをきいた主催者と、一緒に参加していた仲間がおおわらいした。それってシンプルと真逆の位置にあるよと。

もちろん、それはわかっている。わたしは、複雑をシンプルにするのが最高に楽しいんだよ、だから言ったんだよと言ったのだが、残念ながら伝わらなかった。

尊敬するデザイナーでコンサルタントの友人に、わたしの、ものごとをどんどん削って分解して、その解釈をシンプルにしていくところがとても好きと言ってもらった。

そうやって考えてみると確かに、わたしは、普段からそうしている。サーフィンの上達法についても、色々考えてみてきたが、結局それはひとことで表せるものなった『サーフィンは後ろ足だ』と。

プレゼンもそうだ。分解して分解して、やるべきこととしてできあがった言葉はとてもシンプル。やることはそんなに多くないという結果になった。気づけばそういう作業ばかりしている。そして、シンプルで効果のある言葉は印象に残りやすい。印象に残って記憶に刻まれれば、それは、常時使えるものとなる。

あの話よかったんだよね、でも難しくて。大丈夫ノート見れば書いてるからってのは意外に使えなかったりする。そういうのもあって、わたしはできれば、ひとこと、最長でも3語で、それを表現するようにこころがけている。プレゼンの上達法の要点は3語だし、サーフィンにいたってはひとつだ。

シンプルにすると分かりやすくてとても使えるのだが欠点がある。そう、あまりにも、表面に出てくる言葉がシンプル過ぎて、ほんとかなとか、これだけで、こんなに高いのと言われ、商売が非常に難しい。

本来ならそうやってでてきた、シンプルなものにこそたくさんお金を払うべきなのだ。わかりやすくしてくれているし、覚えやすくて役に立つ。そこには、そのシンプルにするために、膨大な労力が使われているから、本来ならそうあるべきなのだが、そうは問屋がおろさない。

ひとことで言えることに10万円はとりすぎやろうってなる。だから、高いコンサルフィーをもらうために、コンサルタントは大量の資料を用意し、話を複雑にするのだと、皮肉めいた事を言う人もいるほどだ。人は、聞いたことのないような難しい用語を大量に聞いたとき、それが何か、すごいものだ、価値のあるものだと思ってしまう傾向があるようだ。

まあ、それでも、わたしは、方針を変えない。これからも、できるだけシンプルにしていく。複雑な事象を徹底的に分解して、究極までシンプルにしていく。もちろん、そこにはおそろしいまでの労力がかかるので、サービスの単価を下げ過ぎるつもりはない。

結局は、その考えに賛同してくれる人にしか、買ってもらう手立てはないのだが、それでも、やはり、わたしはこれからも、わたしのコンテンツが良いと言ってくれる人に、サービスを提供していくつもりだ。

わたしたち河村総研は、これからも世の中の複雑怪奇な事象を分析し、シンプルにして世に提供していきます