前提に注意

シェアする

前提ってありますよね。

言語学と論理学でその意味が違うらしいです。ここで言う前提は言語学のものとします。前提って命題について語る前に、その話しをしている人達が共通して認識していて、はじめて使えるんです。

その前提をたくみにつかったトークと言うのが結構世の中にはあるので注意する必要があります。例えば「英語って海外に行かないとなかなかペラペラにはなりませんよねえ。海外に留学する時間もお金もないわあ~。私には無理なのかなあ」

「無理じゃありませんよ。この教材があれば自宅にネィティブがいてくれるんです。日本にいても海外留学しているのと同じ環境をつくれるんです。これがあれば、あなたの英語、上達間違いなしです。」

というような教材の宣伝があったとします。前提をむりやり作っていますよね。私は英語上達に関して日本でも充分可能だと思ってるので、こういう前提で話してこられても、まず、前提が違ってるやん、だから命題も成り立てへんやん、って思うわけです。

でも、英語の上達に関する事について知らなくてなおかつ、英語の上達をせつに願っている人にとると、この前提が効いてくるのです。

商談の時は必ずこの前提条件を入れます。セールス側とバイヤー側で前提条件を確認しておかないと商談になりません。昔は私もこの英語教材販売業者のように、前提条件を微妙なラインでだしていました。

数字は出さないから嘘ではないと、自分をごまかしながら、5割程度の普及率の物をいかにもほとんどの人が興味を持っていますよという感じでセールスしていました。

こんなのは駄目ですね。続かない。一発売って終わりとかだといいのですが、ルートセールスですから全然だめなんです。そのお店とはずっと付き合っていかないといけないのに、その場だけ何とかするというのは言語道断です。でも、若い時、はりきっているとき、自分のセールストークはアートだと思っているとやってしまうんです。おおいに反省しています。

前提が全く嘘という提案はしていませんが、普及率50%をもっとという風に演出しているので、実際に小売店側が購入しても売れないわけです。そんなの全然駄目です。ベテランは違います。上手く話したって、それはしょせん、上手く話しているだけなのです。事実は伝えていません。

ベテランは普及率50%やこの市場ではこれくらいしか売れないだろうという前提を正直に言います。そして、それからです。だからどうするかを両者で話します。それでも、よしやろう、となった商品は売れます。思い入れが違いますから。

詐欺に近いのは駄目ですね。