禁断の営業トーク。必要ならば。

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セールストークについてはかなり勉強した。

先輩から聞き、本を読み、セミナーにも参加しまず机上で学んだ。調べまくった。営業の強みはそれを即、現場で試すことが出来る点。これは非常にありがたい。以前マーケッターの方と話した時に言われたことがある。

「営業はええよなあ」と友達のマーケッター。
「なんで?」と私。
「だって、考えたマーケティングに関してすぐ試せるやん。こっちは営業が実践してくれのを待ってフィードバックもらわなあかんやん。すぐ試せないところが歯がゆい時があんねん。」と友達。

なるほど、と思った。マーケティングも本で学んだことをすぐ現場で試して検証できる。これは大いに役に立つ。さきほどの話しも含めてだが、現場でやってみると全く話にならないほど役に立たないのもおおい。<営業の基本のき>みたいな本があって、読んだとする。お、これはいいかもと試すも、全く機能しない。ほんまに営業やってましたかと聞きたくなる時がある。

そんなかんじでトライアンドエラーを繰り返しものにしたセールストーク。いろいろ凄いのもある。もちろん公開することも可能だがそれはどうなのかなあと私は思っている。セールストークに一番力を入れていたのは中堅営業マン河村操時代。そう、生意気盛りのころだ。

このときは俺のトークは凄い。時にはマシンガンのように打ちまくり、とどめをバズーカー砲。マザーテレサのような愛のある言葉でクライアントさんに訴える。セールストークによって売り上げが大きく左右されるのは間違いない。

ただ、これ諸刃の剣である。

セールストークが上手くはまると商品の力以上の受注になるときがある。いっけんよさそうだがそうでもなかったりする。

中堅営業マン河村操。ある新商品を大量に売ってきたことがあった。他のセールスとはケタ違いだったので上司が是非同行させてくれと言ってきた。いったいどうやって売ってるのだと。上司がいっしょだと、変に形式ばった商談になってしまうのであまり好きではないが、これに関しては受けた。

私はその商品をどうやったら買ってもらえるか徹底的に研究した。商品の勉強からプレゼン方法、セールストークありとあらゆる方面から研究した。そしてその完成したプレゼンをまずは、絶対に買ってくれないクライアントに持っていった。磨きをかけるためだ。

このクライアントは商談に関して必ず重箱の隅をつついてくる。磨くにはもってこいだ。案の定「それはオタクの都合でしょ、うちには関係ない。さらに言うとそれをどう使えば消費者に効果があがるの。どれくらい続けるの」立て板に水のごとく聞いてくる。どんどん穴が見えてくる。現場にしか出来ない事のひとつだ。これはいくら机上で考えても追求できない。

かなり磨かれた。そうすると次は全く逆の店。そう、絶対になんでも買ってくれる店に行く。ここは新製品はほぼ購入してくれる。売ってみなわからんという持論を持っているクライアントだ。「わかった最低単位で送っといて」となる。なぜ、そこに行くのか。そう、気分を高めるためだ。

営業は商品を買ってもらうことで生きている。買ってもらえると乗ってくる。これだけのセールストーク。買ってくれないはずがないだろうとなってくる。

そんな流れで磨きに磨かれ、さらに回数を重ねることによって精度があがる。取りこぼしがない状態になってくる。そのタイミングで上司と同行。その日は6店を回り終了。5店で受注できた。終わった後上司が言った。「これは売れるわ。断る理由がみつからないほど完ぺきだった。たいしたもんだ。是非皆に教えてあげてくれ。」

最大級の賛辞で終了した。本来なら上司にこのように褒められたら大喜びだ。いつもの私なら飛びあがって喜び聞きたくもないだろう妻に報告する。でもこの時は違った。まったく嬉しくなかったのだ。生意気とかではなく、当たり前だと思ったのだ。徹底的にやったからだと思う。

徹底的にやった。これでとれなければ何をやっても無理というところまでやってたからである。このときの状態はいまでもはっきりと覚えている。セールストークすこしやれば思いだす。それくらいやったのだ。

徹底的にやりそれが当たり前になると嬉しくなくなるのか。上手に立ってますねと言われてももはや嬉しくないのと似ているのか。足を怪我したあととか、初めて立った時なら嬉しいのに。

というかんじでセールストークは研究して現場で磨けばかなりのレベルまで洗練出来る。そういったセールストークの類はあたらしく作ったfacebookページで、今後紹介していこうと思う。facebookをされておられるなら是非訪問していいねをおしてください。更新されたら、皆さまのうウォールに更新情報がとどきます。よろしければ是非おねがいします。

そして、その後も中堅営業マン河村操は快進撃を続けます。圧倒的な差をつけてその商品を売り高い評価を得ます。順風満帆に見えたこの結果、のちに最大の危機をもたらすことになります。

そのころから中堅営業マン河村操はセールストークに関して疑いを持ち始めます。タイトルに禁断とつけたのはそのためです。

その後いったいどんな災難が降りかかってくるのかはまた機会をあらためて書きます。