あなたのその全力は、きっと誰かが見てくれている、少なくとも天は。

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4年ほど前に、20名ほどのお客さんの前で20分ほど話をした。

その時はまだ駆け出しで、機会を得られる時は全部うけた。それが無料であろうと交通費だけの支給であろうと、人前で話せる機会は可能な限り全部受けようと思っていた。人前で話すのが上手くなるには、経験も絶対に必要だという思いから積極的に受けた。

もちろん、当時の講演は、経験も勉強も積んだ今の講演からすると比較にならないくらいおそまつなものであったが、もちろん、その時は、その20分の講義を全身全霊をかけて創り、作り上げ、本番に挑んだ。その講演は、その時点での私にとって最高のものを提供できた。記憶ははっきりしていないが、結構うけて、楽しんでもらえたと思っていた。

そのときの話が昨日でた。

クライアントさんの事務局のお仕事をしているかたが、昨日のミーティングに同席されていたのだが、なんと、その講演を聞いてくださっていたというのだ。そして、そのときの私の話が強烈に印象に残っていると。

そういってくださったのだ。もうひとり印象に残った方がいて、個人が特定されるので、誰とはかけないが、その方と俺のは本当によかったと、強烈なインパクトだったと、そうおっしゃてくださったのだ。
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そして、この度、そのクライアントさんの中で、講義を受け持つことになりそうなのだが、河村さんなら間違いないと事務局のお仕事をしている、この方が、私を推薦してくださっているのだ。

4年も前のこと。

その講演の最後には、自社の商品の案内をしたのだが、結局何も売れなかった。ところが4年たった今、その成果がこういう形で評されたのだ。

お天道さまが見ているから、悪いことはできないし、いいことを心がけようとやってきたが、こういう事が起こるのだ。誰がみてくれているかわからない。横柄な態度や、小売店でお店にえらそうに文句を言ったりするのは、きっと誰かがみている。すくなくとも天はみている。

三国志を題材にした漫画蒼天航路で、主役のひとりである曹操が、誰も見ていないのに、誰もいないのに、あなたはなぜ、そういうこういう行為をされるのですか?と言ったような質問に、人差し指で空を指差して

「天がみておる」

といったのだ。それが、あまりにもかっこよくて、それからは、誰が見てようと、誰が見ていなくても天がみているから、できるだけ正しくあろう、いいことをしよう、全力で取り組もうとした。

まあ、天と言っても、ただの空だし、空に見られているからといってどうってことはないが、そうやって、意外に誰かがみてくださっているのだ。

もし、そこで、小さいイベントだし20分くらいしかないしと言うことで、適当に講演をしていたら、もしかしたら、今回のような結果になっていなかったかもしれない。

講師になって、セミナーや講演で飯を食っていきたいって人は、ぜひ肝に銘じておいていただきたい。最初から、講演の依頼なんかこない。ボチボチくるようになったとしても、最初は無料とか、交通費だけとかそんなもんだ。

でもそれは、そこは必死で命がけで、講演をしっかり創って、演じていただきたい。それを見ている人は必ずいる。

年間200講演以上をこなす私の師匠は、平均すると4年くらいかなあ、仕事につながるのはっておっしゃっていた。どこかでやった小さいセミナーから4年経って、実はあのときのセミナーで先生をみて、今回お願いすることになりましたというのが、起こることがあるのだが、平均すると4年位だなあとおっしゃってた。

今回まさに4年だったので、師匠の言葉をおもいだした。

と同時に、身を引き締め直した。講演にも慣れてきたところだ。本当に、今の全力をだしているか、もっとブラッシュアップできないかを、いちいち考えることをもういちどやろうと思う。

もって徹底的に作り込んで、しっかり練習して提供する。それが、世間の評価からすると70点かもしれないが、すくなくとも、現時点の自分の点数は120点だぜくらいのを作って演じる必要がある。

セミナー講師で飯を食いたいと思っている諸君。そうやってやっていれば、きっと食える日がくるだろう。逆に、こんなしょうもない場所で、少ない人数で、お金ももらっていないからと、適当にやってたら、永遠にあなたには依頼がこないよ。がんばらねばね。