すっぱい焼きそば

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死ぬ前に食べたいものって何?

ってたまに聞かれるのだが、もしそれが3つならと断ったあと

もち・餃子・焼きそば

と即答する。それほど好きなのだ。なかでも焼きそばには目がなく、一時は焼きそば専門店を作って世界に打って出たいと考えるほど好きなのだ。角切りにしたキャベツと豚をフライパンで焼く。塩コショウを施した豚とキャベツをつまみ食いする。この匂いたまらんなあといいながら麺を加えソースを入れる。ソースはべつに普通のソースでいい。

普通のソース焼きそばが最高。もやしは水くさくなるのでできれば入れたくない。豚肉とキャベツと麺とソースの組み合わせが最高。

というのもあるので昼間は焼きそばがどこかにないかいつも探している。以外に焼きそばはない。初めて訪れた土地では探せないときもある。だからみつけたときは入ることにしている。女の人がいると入れないケースも多い。ソースの匂いが服につくと嫌がる人も多いのだ。俺なんかは逆に匂いがつくのが嬉しい。夕方のお腹がすいた時に服の匂いをかげばあの幸せな時間にフィードバックできる。

そんなハードルの高い焼きそばなのだが、先日たまたま訪れた地の駅前商店街に焼きそば定食を前面にだしている食堂があった。食堂には分厚い鉄板がなく焼きそばがいまいちな感じが多いのだが、ここはもと鉄板屋の食堂っぽい。これは期待ができると思い切ってはいった。

焼きそば定食を注文したら予想通り見事な見栄えの焼きそばとご飯と味噌汁がでてきた。ソースの匂いがこうばしく、たまらない。いただきますと手を合わせご飯を左手に持って焼きそばにはしをつっこんだ。

ソースがかわきすぎておらずはしは見事に滑り込む。うむ、このソースのつけ具合、乾燥具合は最高だぞと思いながら、完璧なあじをイメージして口に運んだ。

ん?

違う。イメージしていたのと違ったのだ。少し酸味がありすっぱい。中華料理店でだす焼きそばは酢を入れているケースがあるので、そんなあじがするがそんな感じだ。この店はもしかしたら焼きそばに酢を入れているのか。

まあソース味ではなかったが、酢の味がワンポイントになって大好きではないがまあ上手い、まったく問題がない。ところがひとつ問題がある。

このすっぱさが、酢なのか、それとも、腐っているのかがわからない点だ。

いつもの店ならいい。ここの焼きそばは酢を入れる。中華で焼きそばを頼んでいるなら安心だ、こんなあじがあるからだ。でもここは普通の食堂。この味は意図されているのか、それとも少し傷んでいるのか判断できないのだ。

一気に食えなくなった。でも大好きな焼きそばは俺にはしを置かせることをしなかった。自分にいいきかせた、このお店はとてもきれいし、店員さんもあいそがよくきっちりしている。このすっぱさが腐っているなんてありえない。きっと酢をいれているのだといいきかせた。

そう思い込み結局最後まで食べた。ごちそうさまとお礼をいって店をでた。

結局そのあと何事もおこらなかった。あのすっぱさはお酢のすっぱさだったのだと思う。はじめての店で予想を超えるあじつけにであうと、すこしとまどうなあってことがわかった。