英語を構造から学ぶメリット

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みんなやればいいのにと思う。英語がなかなか話せるようにならない人。すごいスピードで習えそうだと評判の教材を聴きまくっても、英語ネィティブと話しても一向に英語が話せるようにならないなあと思っている人はぜひ構造を知ってほしい。

英語は26文字のアルファベットが単語という最小ユニットとしてあらわれたものを、英語のルールに沿って並んだものが文という構造物となって存在しているものだ。そのルールを知れば、今から出会う文章もどういう構造になっていることがわかる。

逆にその構造はどういうルールにそって並べられているかということもわかるのだ。あとは単語が何を意味しているかを知ればいいのだ。もちろん単語の意味を知っていて、ある程度何度も同じ感じのものに出会っていればわかるようになるが、それなら先にルールを学んだほうが手っ取り早い。

野球を見ていて、打った人は全員1塁の方に走っていく。たぶん、打ったら1塁に行くのがルールなのだろうと思う。でもまてよ、まだ打者を18人しか見ていない。これではサンプル不足だ。たまたまなにかの決まりで1塁に走っているかもしれない、もう少しまとう。

結局この人は100人のサンプルを集めて、全員が1塁に走ったことでようやく確証をえた。打った後は1塁に走っていくので間違いなさそうだ。そんなことをするより、2,3人みたところで、隣のオッサンに聞けばいい。すみません、打った後は右側に走るのですかと。すると、あったりまえだよって答えてくれる。100人もまたなくていい。

英語だってたくさん聞いて、どうやら、He のあとにつくeatにはsがついてeatsになっている。I のあとのeatには何もつかない、sheにもつく。ところが、おなじ3人称なのにtheyのあとのeatにはつかない。一体どうなってんだって、もっとサンプルをとらなきゃと、勝手に身につくのを待つより、先生に聞いたほうが早い。

3人称の単数の現在形が主語の時は動詞にSをつけるんだよって教えてくれる。自分で気づくまで待つ必要はないのだ。文を読むのに、それが顕在化するかどうかは別にして、かならず、ルールは必要なのだ。そうでないと構造がわからないし読めない。

だからまず構造を知ろうぜって、生徒には教えている。

英語は5文型という5つのパターンに分けられるとしている理論がある。わたしは、それが正しいと信じてそれを使うことにしている。そのパターンとは、知っている人も多いだろう、以下のとおりである。

1 S+V
2 S+V+C
3 S+V+O
4 S+V+O+O
5 S+V+O+C

だ。ちなみにSは主語で、Vが述語動詞、Oが目的語でCが補語。

複雑な英文も実は全てこのパターンにはまるとなるととても気がラクではないだろうか。例えば第3文型のSVOはSがOにVするとか、SがOをVするとかの訳になる。I break a door.という文はIがdoorをbreakするとか、Iがdoorにbreakするという感じになるが、日本語の意味を考えると、弧の場合私はドアを壊すというパターンになるだろう。

わかった、なるほど便利そうだけど、いったいあなたは何故、IがSで、breakがVでdoorがOだってわかったのと思うと思う。そのときの判断材料は、それが主語になると知っているか、もしくは、品詞が何かを知っているかだ。

Iはいっつも主語になるから、IはSになるのだよという人がいる。もう何度も出会い、いっつもそうだからそうなんだよって考えだ。前述の野球のルールをしるために100人のサンプルを集めるパターンだ。

そうではなく、Iが代名詞だからだよ。代名詞は主語や目的語や補語になる可能性がある。Iは主格と目的格では形が変わる。Iは主格の形だから、これは主語だと特定できるよね。vの位置には動詞がくる。breakが動詞だというのは単語を覚えたときに一緒に覚えたから、これはv。次にでてくるaは冠詞。

冠詞はSにもVにもCにもOにもならないから、とりあえず文を構成する主要素ではないから、おいといて、さいごのdoorは名詞。名詞はoかcかsになる。sはもうIで決まっているからこれはoかc。cだとするとsvcの第2文型になる。その場合S=Cの関係になる。I = doorではないので、これはcではないoだ。ということはこれはS+V+0の第3文型だということになる。

第3文型の訳し方は決まっているので、ああ、私はドアを壊したと言っているんだなと読める。読者のみなさんは、この程度の文章は見た瞬間意味をとれるだろうが、こうやって、ひもといていくことを徹底的にやることで、構造をしっかり理解できる。それにより、今後でてくる複雑な文章についても比較的読みやすくなってくるのだ。

最初は品詞という言葉さえも知らなかった高校生の生徒が、今では文章の文型と、品詞の名前をバンバン答えてくる。学校の授業は先日から復習に入り、教科書の最初に戻ってやりなおしているらしいが、以前にくらべてはるかに読みやすくなったと言っていた。

私の生徒さんは、わたしに、この品詞は何?何文型?なににかかっているとかを、聞きまくられている。あきらかにムッとしている様子がスカイプを通じて伝わってくるが、心を鬼にしてきく。そのおがげで、動詞が不完全他動詞とかいう答えが口をついて出てくるようになった。

そうやって即答できるということは英語を完全に理解しているということ。めんどくさいおっさんと思われようが、これは続けていく。

で、いつまでも半永久的にやらないといけないかと言うとそんなことはない。なぜなら脳は手抜きだからだ。意識でこれは第3文型でbreakはvだからとやりはじめるまえに、私という人間がドアを壊している映像が頭に浮かんでいる。

最終的には品詞だとか文型だとか日本語訳だとかがまったく、意識に浮かぶことなく、口をついて英語で応えているという状態になる。そこにたどりつくのは簡単ではないが、しっかり構造を理解した英語を脳に蓄積することによって、この夢の様な言語能力が手に入れられるのである。

理解できると勉強は楽しくなる。文型と品詞が完璧に答えられた時の生徒はみな一様に満足そうである。こんな風に英語を学ぶ人が増えて、英語が口をついて出てくるようなスピーカーが増えればいいなあと思う。