ラグビーワールドカップ2015。日本が南アフリカに勝った本当のすごさ3つ。

シェアする

ラグビーワールドカップにおける歴史的快挙。圧倒的強者である南アフリカを倒した日本代表。あちこちで書かれているので今さらという感はあるが、どういうところが凄いかについて、これって本当にすごいんだよという全てについて網羅されている記事がないと思ったので書くことにする。

1 ラグビーは番狂わせが少ない

ラグビーの実力差はいかんともしがたい。番狂わせが非常に少ないスポーツだと言われている。弱いチームが強いチームに勝つことをジャイアントキリングと言うが、それがほとんど起こらないのだ。

同じ団体スポーツの野球やサッカーでは、たまにジャイアントキリングが起こる。そのたびに、ラグビーではそれがないからなとファンは口にするのだ。

だから、昔からのラグビーファンは興奮する。ありえない勝利に涙するのだ。

そういう意味において、今日の試合も期待できる。日本はこの4年間で圧倒的な強さ、実力をみにつけたという事を証明したことになるかもしれないからだ。

今後試合を重ねるごとに、ジャイアントキリングとはよばれなくなってくる。日本は強豪国に入るのは目の前に迫っている。

2 南アフリカに恐怖をあたえた

あきらかに嫌がっていた。

もうあと5メートルというところから、おそろしいほどの守備力で攻撃をとめる日本代表。タックルを繰り返し、転んだらすぐにたち、ボールをもった人間に怒涛のタックルを仕掛けてくる。

南アフリカの選手は、日本代表って本当に15人しかいないのか、まるで30人位いるようだと感じたのではないだろうか。

その恐怖が顕著にでた場面だ。ゴールラインまで10メートルもないところから、なんと南アフリカはペナルティーゴールを選択したのだ。そのありえない選択に、会場にブーイングが起こった。圧倒的強者が、そこからペナルティーゴールを選ぶなんて考えられない。

怖い、絶対に、また30人の日本人が、俺達をとめにくる。ここは確実に3点をと思ったのだ。もしかしたら、いけるかもと思ったのは私だけではないだろう。

3 逆転を狙いにいった

残り時間がもうないとなったとき、3点差で負けていた日本は、相手の反則から日本ボールになったときに、ペナルティーゴールを選ばなかった。

会場の誰もが、しかも監督のエディーからも同点を狙え、ペナルティーゴールを狙えと指示がでていた。にもかかわらず、チームはトライを取りに行った。トライなら5点、逆転となる。

昔からのファンの多くも、よし、これで同点だ、五郎丸なら決めてくれると思ったようだ。誰もが、コーチでさえも信じきれていなかったが、その中で、プレーしている自分たちは、自分たちを信じていたのだ。

彼らは一様に口をそろえる。我々は世界一練習してきたと。その自信と、南アフリカと戦ってきた1時間近くの感覚から、いける、もしくは、ここでいかなきゃと踏んだんだろう。圧倒的にやってきた自信は岩をも砕くのである。
177247
まあ、色々他にもあるが、この3つであろう、今回の勝利で我々が知っておかないといけない強さとは。24年ぶりだとか、ありえない大金星だとかというのはあるのだが、個人的になにがすごかったのと言われるとこの3つが思い浮かぶ。

この大勝利を知ってラグビーってこんなだったのかと知った人も多いだろう。なにをそんなに騒いでいるの、なにがそんなに凄いのと思っている人におかれましては、このあたりを押さえていただければ問題ないと思う。

今日は2戦目がある。今までに1勝しかしたことのないスコットランド戦。それらを踏まえて応援してもらえればと思う。信じられないスピードと力で、人と人がぶつかりあう迫力は他に類を見ない。今日はとても大切な戦いになる。

スコットランドは本気でくる。大変な戦いになるのは必至。みなで応援しよう。

追伸

ラグビーは試合終了をノーサイドと表現する。試合中は日本サイド、南アフリカサイドとあるが、試合が終われば、それはもうないよ、敵味方ではなくなったよという精神のもとになりたっている。

観客席では南アフリカのファンと日本のファンが入り乱れている場所もあった。こんな勝ち方をしたら、日本のファン、ちょっと危ないのではと、一瞬頭をよぎったが、レポーターの記事をよんでいると、終わった後は、南アフリカのファンから、日本のファンが祝福の言葉を多くもらったとあった。

そういう精神もラグビーの特徴のひとつだろう。そんな爽やかさも楽しんでいただきたい。