インバウンドマーケティングかアウトバウンドマーケティングか

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最近(といっても随分たつが)耳にするようになったインバウンドマーケティング。従来型の売り込みでは通用しませんよ,我々の接客的なセールスにお客さんは辟易としてますよ、これからはインバウンド型ですよとHubSpotという米国の会社のCEOであるブライアン・ハリガン氏が2005年くらいに始めて、その後日本にも入ってきた手法だ。

もう10年も前に入ってきた手法なので、その情報はネット上にあふれている。わたしが解説するまでもなく、あなたが、わかりやすいなという情報源から、インバウンドマーケティングは何かを見ていただきたい。

簡単に言うと、興味がない人に無理やり売り込んでも駄目ですよ。まずは、あなたの商品に興味を持ってもらえるかも知れないなあという人間を集めなさいという方法。ネット創世記は、これはすごいぞ、まずはリストを集められるだけ集めて、そこに商品を売り込めってやっていた。最初はそれでよかった、情報なんて、ほとんどない時代だったので、情報に飢えていたお客さんはそれこそどんどん買った。

でも今は全然違う。そのころと比べると圧倒的に情報が増え、あふれ気味でさえある。売り手が完全に優位に立っていた情報戦は完全に買い手側が勝利を手にしてると言えるほど、情報はあふれている。そんな中で、この商品はすごいよいですよ、買ってねといったって無理な時代になってきた。

そこで生まれてきたのが、このインバウンド。まず、先に、お客さんや、お客さん候補になるかたに、役に立てる情報をコンテンツという形で提供する。ブログに書いたり、SNSで伝えたりする。そこで、商品をいきなり売り込むようなことはせずに、とことん、徹底的に情報を提供していく。

そして、興味を持ってくださった方に、もっといい情報がありますよ、こういうコンテンツもありますがいかがですかと、さらに濃い、もしくはより有益な情報を提供する。そうしていく内に、お客さんと信頼関係が生まれてくる。これだけ、正確で役に立つ情報を提供してくれるこの企業からだと買ってもいいなという状態になってくる。

さらに、それが進むと、買いたくて買いたくて仕方なくなってくる。そして、そのタイミングでようやく商品を売り込むということになる。

この手法がどの職種や業種にも当てはまるというとそうではないが、ネット以前に比べると圧倒的に増えた売り込みに疲弊しきっている昨今、かたっぱしから売りまくるという手法は、非効率であるというのは否めないだろう。

『会議室でサーフィンを教える』というわたしが、最初に手がけた商売は、結果的に、このインバウンドマーケティングの形になった。当初はそれで商売する気は毛頭なく、ただただ、わたしが上達に苦労した過程が、同じように苦しんでいる中級者にきっと役に立つだろうと、ブログを始めた。

結果的に、お金を出すので教えてくれということになって商売に転じたのだが、これこそインバウンドの典型的な例と言えるだろう。これを、意図的にやっていこうというのがインバウンドマーケティング。言葉自体になじみがないとしても、結果的にこういう手法をうちはやってるよってかたも多いだろう。

もし、やっていないようであるなら、積極的に取り入れてみていただきたい。簡単ではないが、面白いと思うので。