22年間最前線で売り上げをあげまくっていた元営業マンが教える、売り込まずに買ってもらう方法

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売り込まずに売るってのがみんな好きである。

売る側も、買う側も売り込みが嫌いというのは間違いない。元セールスの俺からしたら、放っておいても売れていく感じにしたいんですがなどと、相談されると「おとといきやがれ、黙っててて売れる商品もってたらセールスなんかいらんのじゃあ」と怒なりたくなるが、まあ、そこはクライアントさんなので「ですよねえ〜、売り込むのいやですものね、押し売りみたいで」と言って、できるだけ顔がひきつらないようにして笑顔をかえす。
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おいおい、売り込みが嫌いなのはわかるけど、放っておいて売れる商品なんてそうないぜ、ちょっとはセールスも学ばないとと思う反面、理想はそうだよね、売り込みってホントきついものねと賛同する気持ちは大いにある。

(photo by Wide World Of Work)
8665589421_ac22530590_oマネージメントの神様ピータードラッカーもその著書『マメージメント』の中で「マーケティングの理想はセリングをなくすことだ」と言っている。

まあ、ドラッカーも理想と言っているので、セリングを完全にゼロにすることは難しいが、マーケティングを駆使すれば、皆さんが理想とする売り込みを減らすことができる可能性は充分にあるということなのだ。

だからと言って、それはそのままセールスをゼロにするということではない。モノやサービスを売るという商行為において、クロージングの部分でセールスをかけるというのは極めて普通の行為であり、それを失くすというのは商売の本質を見誤ることにもなりかねない。

なので、セールスは商売において絶対に必要なものなのだが、心配しないでいただきたい。セールス=売り込み、押し売りという図式が必ず成立するものではないのだ。売り込む必要のないセールス、いや、むしろセールスは売り込んではいけないと、営業の神様とよばれているアメリカの元敏腕セールスのジェフリー・ギトマーはその著書『営業の赤本』の中で冒頭にこのように言っている

売りつけられるのは嫌いだけど、買うのは大好き

皆さんが、感じていた売り込みが嫌だからというのは大正解なのだ。お客さんは、売り込まれたくないのだ。一方で、だからセールスはいや、セールスはやらないということでもないと言うことになる。

そう、だから、みなさんがやるべきは、売り込まずに、買ってもらうセールスをやるということなのだ。

ややこしいのでもう一度言う。

皆さんが感覚的に思っている、売り込みが嫌だというのは正解だが、それすなわちセールスをしないということではなく、売り込まないセールスをしましょうねということなのだ。

では、いったい売り込まないセールスとはどういうものなのか。

お客様が買いたくなるようにしむけるのがセールスということになるのだ。前述のジェフリーは著書の中で続けてこういっている、

売りつけるのは間違いだ。お客様は買いたいと思っている

これは完全にインバウンドマーケティングだ。もはやコンテンツマーケティングに近い考え方となっている。そう考えるとどうだろうか、もはやセールスとマーケティングに境界はなくなってきている、というより、セールスもマーケティングも本質は同じということにならないだろうか。

そういうことなのだ。

これが私が今もっとも伝えたいことだ。現在の日本は成熟社会と言われている。人がバンバン増え、高度に経済が成長していた時代は終焉し、人口が減り、モノがありあまっている社会、もはや、作ったら何でも売れるという時代は、とうの昔に終わったのだ。

あなたの商品やサービスは、必ず競合があり、ライバルが売っている。もしかしたら、その商品はすでにお客が持っている可能性もある。そんな中で、あなたの商品をあなたから買うには、理由が必要となってくる。

その理由のひとつに、

あなたがいい人だ

ってのがある。なにそれ?って感じだろうが、実はこれ、あなたが思っている以上に客は重要視している。商品はいい、他よりも若干安い、でも、あなたが何か嫌な感じなので、あなたから買わない。こんな、理由であなたやあなたの売り上げを落としている現実があるのをご存じだろうか。

嘘だと思うなら、一度クライアントさんに聞いてみるといい「なぜ、あなたは、私から商品をかってくれたのですか?」と。

私は結構聞く。すると答えが返ってくる。プログラムがいいから、セミナーがおもしろいからと言った答えをいただくことが多いが、中には「なんでも聞きやすいから、言いやすいから」と言っていただくこともある。

怖い先生だと、質問したくても、怒られそうで嫌だとか、こんなこと聞いたら駄目なのではという理由から、先生とはなしづらいってのは結構な障壁になることがある。

もしかしたらあなたの商品が売れない理由は、商品以外にあるのかもしれないのだ。

そういう観点から、弊所の新人研修プログラムでは、人間として、まずは「あたりまえのことをあたりまえのようにできる」セールスになるべく、ものすごく基本的なことを徹底的にやっている。

経営者のみなさん、怖くないですか。あなたの会社の売り上げを落としているのがマーケティングでもなく競合でもなく商品でもなく、自社の非常識な営業マンだとしたら。

これは、経営者は意外に気づかない。社内政治力が強い、太鼓持ちの営業マンが「社長はやっぱりすごいです。この会社すきです」って、手の指紋がなくなるくらい手を揉みながらすりよってきたら見抜けない。

社内に力を使いすぎて、外に向けては注力できない営業マンなんて腐るほどいるのだ

(営業マンではないが、社内にばかり愛想を振りまく社員の話はこちら)

ガンガン訪問して、うちの商品最高なんです、買ってくださいという時代は間違いなく終焉した(アウトバウンドマーケティングといいます)成熟社会で、ものがあふれまくっているからだ。これからは、相手にまず興味持ってもらうような仕掛けをマーケティングで行ない、売り込まないセールスでクロージングするというのが主流になってくるだろう。

そのためには、それを提供するマーケターやセールスが、必要最小限度の常識を身にまとった人間になる必要があるということ。マーケティングとセールスは本質的には同じことをしているということなのだ。
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弊社ではそういう常識人を育成するプログラム『あやおの法則』『4Sマインドがセールスの基本』『究極のセリングは最適マンになることだ』というプログラムを用意している。基本的には会社向けだが、個人に対しては個人教授という形で提供しているので興味がある人はお問い合わせを。柔軟に対応してるのでぜひ。

いい人でないと、駄目なんだよな、いつの世も。