21才か22才の芸大生の配慮は完璧だった。どういう育ち方したら、彼のような気配りができる男になるのだろう。いつか講師として招聘したい。

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とても素敵な若者に出会った。

その生き方、考え方に涙しそうになるのを必死でこらえた。おっさん、なに泣いてんねんって言われるような状況だったからだ。

彼は現役の大学生。絵を学んでいる芸大生だ。4年生の彼は、すでに就職の内定をもらっている。しっかりとした受け答えをされ、彼を採用した会社はいい人材を確保したなと思った。

さらに驚いたことに彼はすでに仕事をしている。インターンやバイトではなく個人の事業としてだ。色々な施設にでかけて似顔絵を描いて、人々の心をいやしたり、小売店のロゴデザインをしたりしている。さらに驚いたことに、そのデザインの仕事は、飛び込みの営業でとったというのだ。

まちなかにある店舗に飛び込んで、デザインやらせてくださいと言って、仕事をとったのだという。仕事をする上で必修の能力である営業をもう体験しているのだ、しかもみずから進んで。

まあ、それで充分感動したのだが、そのあとにさらに驚かされたのだが、そこで泣きそうになったのだ。

彼とは、あるイベントで出会った。起業家や、これから何かをしたいと言う人が集まるイベント。数人のプレゼンターが自分のやりたいことを発表する。そして、それに対してアドバイスを参加者からもらって、ブラッシュアップするというワークショップ。そのワークショップ終了後の懇親会で、話をしていた。
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(写真はイメージです)
私と彼と主催者との3人で、彼の経歴を聞いていたのだが、ひととおり終わったところで、主催者が彼に聞いた。

「あれ、学生さんなの?なんでスーツ着ているの?」

お、ほんまや。そう言われたらそうやな、仕事終わりのサラリーマンもいたのでスーツの人もいた。だから、気にすることなくはなしていたが、そう言われたらそうだ。彼がスーツである必要はない。フリーランスの人も多く、その多くがカジュアルだったのだ。なんでだろうと思った時に彼が答えた。

「はい。わたくし、こういうコミュニティーのワークショップのイベントに参加するのが始めてで、平日の夜と言うことで、仕事帰りのサラリーマンのかたが多いだろうと思って、スーツをきてきました」

と照れくさそうに言った。泣きそうになった、いやちょっと目がうるんだ。なんて人だ。そういう配慮ができる人がいるんだあ〜、やった〜、感動した〜ってなった。その照れた感じが謙虚で素敵で、思わずハグしそうになった。

カジュアルな雰囲気にスーツはまだ大丈夫だが、スーツだらけの中に、カジュアルはちょっととなる。彼はそれを踏まえて、懸念して、スーツをきてきたのだ。そう言われてみたら、スーツを着こなせていない新入社員の雰囲気があった。それがまたけなげで、たまらなくなった。

彼はいますぐ独立して起業しても成功しそうだった。飛び込み営業もじさないし、コミュニケーションも完璧にとれる。就職しなくても、ひとりでできるよって言ったのだが、社会を知るために就職します、将来は独立したいと思っていますがと答えた。

日本の将来を危惧する必要なないと思った。若者ともっと触れ合う機会を持とうと思った。

彼とは名刺交換をしてつながった。facebookの申請もくれた。おもんぱかるな人に出会えた。がんばらなければと思った。