僕がサーフィンのブログを書いている理由はただひとつ。僕と同じ原因で上達しない中級者をただ救いたかった。

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俺って上手いやろとか、サーフィンに画期的な理論をとか、既存の教えがどうとか言うのは一切ない。

ただただ、俺と同じ原因で上達していない人たちに、いや人たちにではないなあ、それは押しつけがましすぎる。同じ原因で上達していなくて、なおかつ、なにか救いを求めている人で、この理論、もしかしたらいいかもと思っている人の、上達のきっかけになればと思い書いているのだ。
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別に俺は、びっくりするほど上手くないし、プロでもインストラクターでもコーチでもない。えらそうに書いているが、自分だけで発見した理論では当然ない。いや、私は何も発見していないし、生み出していない。周りの上手い先輩がたや、お世話になったプロの方々のアドバイスや、考えが、あってようやく形となったのだ。

まあ、俺が貢献したという部分をあげるとすれば、観察眼と分析力と文章作成力が、ひとより少し得意だったという点だろう。

先人や、先輩やプロが持っている、言葉にならない考えや感覚を、なんとか読み取り文章にしてきた、そんな感じで、ようやくノウハウみたいになってきた。

色々なかたの助けや愛があって、俺は今もサーフィンできているのはまちがいない。その筆頭にあげさせてもらうとすれば、

安宅のまーくん

を置いて他にいない。彼とはもう20年以上の付き合いになるが、彼がいなかったら、現在のサーファーな俺はまちがいなく存在しない。大阪から転勤してきた俺。仕事のストレス解消のためと始めたサーフィン。石川県の安宅ポイントのインサイドでチャプチャプしてた俺にスーさんが声をかけてくれた。

そして安宅のどんであるまー君に引きあわせてくれた。まー君はインテリヤクザのような風貌で、あきらかに近づいたらやばそうな人な感じがでてて超怖かったが、はなしたらとても優しい人だった。

何もできない俺を、それがきっかけで、色々なポイントに連れて行ってくれた。それからしばらくは、ごっちというやんちゃ坊主もいっしょに、4人でいつも海に入っていた。

今ブログに書いている理論にはまーくんの教えがたくさんはいっている。まーくんは圧倒的に運動神経がよく、感覚派。理論や理屈からはいる俺とは真逆のタイプ。俺のような、長ったらしい、理屈っぽい文章ではなく、一言でアドバイスをくれる。肩ばっかり動いて、板が全然動いていない俺をみて

「みさおちゃん腰や腰」

と腰を動かせとアドバイスくれた。前足君が肩ばっかり開いて、腰が動いてないというのに気づいたのは、まーくんのそのアドバイスがあったからだ。

そして、俺が書いているブログの根幹となる、後ろ足に乗れというものも、まーくんからのアドバイスだった。俺はある程度乗れるようになったときに、タジ・バロウというプロが大好きになった。その彼があるとき、サーフィン雑誌のインタビューで

「シェーパーのダレンがさあ、俺は前足に力かけ過ぎだっていうんだよ。いつも前足のところから板が折れるからさあ」

と言ったのだ。おおおお、そうか、タジのサーフィンがかっこいいのは、前足に乗っているからかと思って、俺は前足に乗りまくってサーフィンしていたのだ。のちに、これは俺のかんちがいということがわかるのだが、タジは前足だけにのっていたのではなく、前足にものっていたのだ。そう、サーフィンの基本は後ろ足にのること、後ろ足に充分乗っているタジが、前足にも乗るからいいのでって、後ろにのっていない俺が、前足にのっても上達するわけがないのだ。

ところが、それに気づくのは随分あと。前足に乗りすぎている俺に、まーくんはいつも

「みさおちゃん、もっと後ろにのらな」

と言ってくれていたのだが、俺はそのときはそのアドバイスが耳にはいらなかった。おそらくだが、それで上達は5年位遅れた。

で、なにかのきっかけで、後ろ足にたまたま乗ったというより、ミスで乗ってしまったときに、なんとも言えない感覚があった。なんだ今の感じはと、もう一回やったら、今までにない感覚を得られた。なんじゃこりゃ、今までの俺はなんやったんあやあと叫んだ瞬間まーくんの「みさおちゃんうしろやで」という言葉が脳内をぐるぐる回った。

こ、これか、ずい分前にゆってくれてたやんかと、そこでようやく気づいた。

結局、私の今のサーフィンと、ブログで展開している理論は、まーくんのそのふたつのアドバイスが元になっている。前足に乗りすぎて、肩をいくら回しても、曲がるときに使うサーフボードのテールのほうがまったく使えない。そんなので、うまくなるはずもないのだ。

すーさんやごっちにもいくら感謝しても足りないが、まあ、このまーくんがいなかったら、絶対にサーフィンをしていないことだろう。感謝してもしきれないのだが、この場をお借りしてお礼を言っておく。師匠ありがとうございます。

師匠で思い出したが、まーくんが俺を誰かに紹介するときに「これ、みさおちゃん、俺の弟子やライダーやうまいで」と言ってくれた。まーくんがいたので涙を流さなかったが、こころのなかで泣いた。

まーくんは口数が少なく、いや、よくしゃべるが、そういうことは言わない。俺は、全然ゆーこと聞かないし、上手くなるのがめちゃくちゃおそかった。だから、俺なんかは、全然だめなんだろうなと思っていた。弟子なんて言ってくれたことがないし、まあ、俺は俺のスタンスで、じっくりやるしかないと思ってたから、その言葉を聞いた時は、とんでもなく嬉しかった。

今でも、場所とそのシーンは目をつぶれば浮かんでくる。

まーくんは、理屈っぽいのとか講釈がいちばんきらいだ。だから、理屈ばっかりこねて、くどくどと文章を書いている俺の今の感じはきっとあまりすきでないと思う。でも、いつもやさしく見守ってくれているし、心配してくれる。愛してくれているのがとてもよくわかる。

まーくんの話を書き出すと、収拾がつかないほど長くなる。この人は、もちろん、サーフィンでもすごいけど、ビジネスのほうが、とんでもなくすごいことになっている。その話は、また別の機会というか、俺は、まーくんのことを本に書こうと思っているから、そのときに譲ることにする。

彼がいなければ、まちがいなく、今の私はないし、サーフィンのブログも存在しない。
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サーフィン上達のためのブログを書いている理由を書こうとしたが、まーくんの話になってしまった。まあ、彼がいなかったら、始まらなかったのだから、それもいいだろう。

長くなったので続きはまた書く。自分一人でできることなんて1ミリもない。あなたのその発言は、かならず、誰かの言葉やアドバイスなのだ。それを忘れないように、自戒の念も含めて書いておくことにする。

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