もしあなたが何かことを起こしたいなら、どう見せるかにこだわれ。彼らのようにできれば、あなたのキャリアは確実に加速する。

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ランバージャックスという団体がある。

兵庫県加古川市に本社を置く、株式会社ムサシの代表取締役社長の岡本篤という男が、日本の里山と人々を結ぶという、極めて抽象的な理念で立ち上げた、薪割り集団だ。この団体がどんな活動をし、なんの集団なのかということは、ひとことで説明するのは極めて難しいので、今から私がクソ長い文章で複数回に分けて、理屈っぽくしていくので、楽しみにしていただくとして、まずは、この動画を見ていただきたい

(by Ryo Okamoto, Daimon Kanno)
いかがだろうか。

この動画を見たとき、とんでもない衝撃をうけた。この動画を作成したのはアーティストでランバージャックスのメンバーである岡本亮。前述のランバージャックス代表岡本篤の実弟だ。彼が、ランバージャックスの見せる部分を担当し、どう見せるかについて、いつも考えている。

タイトルにもある、いかに見せるかが大切というのは、全部この岡本亮から教わった。余談だが、先日、宝塚市のイベントでランバージャックスのブースを出すことになった。薪割りのデモンストレーションをおこなうものだったのだが、そこでの岡本亮はすさまじかった。

「みさおさん、その斧、あと30センチ右に移動して」とか「たかっちゃん、そこに座ったらあかん、座るんやったらもう少し奥のストーブの左奥や」とか。

かっこいいとか、美しいとかに人は惹かれ、感動し、共感を覚える。仏教の寺院やヨーロッパの寺院が荘厳で美しいのはそういう意味合いもあると聞いたことがある。薪割りなんて言うのは、どちらかというと泥臭い作業。そこをカッコよく見せるというのはとても大切なのだよということを彼は言っているのだと思う。

話を元に戻すと、そういう考えを持つ彼が、徹底的にこだわって完成したのが、この動画というわけだ。

実はこの動画には、もうひとりアーティストが加わっている。カンノ ダイモンという男だ。彼もランバージャックスのメンバーで本業はプロダクトデザイナー。現在は奈良県の吉野に拠点を移し、エーヨンというデザインオフィスから商品を、デザインを発信しながら、ランバージャックス吉野の主要メンバーとして活躍している。

その彼が、この動画に登場する映像を全て撮影した。普段から、カメラを持ってランバージャックスの活動を写真に収めているのだが、この日は、一貫して動画撮影をおこなった。その動画の数は、数えきれないほどになり、アングルを変え、画角を変え、時には走り、時には寝転びしながら尽力した。

その貴重な映像を、編集し、見事なまでにクールにしたのが岡本亮というわけだ。動画のエンドロールに彼ら二人の名前が登場するので見ていただきたい。

さて、そのランバージャックスが何をしているのか。

動画を見た感じで言うと、どうやら森に入って木を切って、それを運んで、レース場に積んでいるようだなと思ったかた、正解です。彼らは、木に関係する活動を現在行なっているのである。

はじまりは、岡本篤の思案から生まれた。

薪って、もっと手軽に手に入るのに。

最近はそんなではないが、薪ストーブを使っているひとの、ひとつの悩みとして、薪を手に入れるのが難しいというのがあった。薪ストーブはあるのだが、薪が確保できないとか、できたとしても、高額なものが多く、値が張る。そういう理由から薪ストーブに手をだすのに二の足を踏むという人もいたようだ。

そんな現状を聞いて、いやいやそんなことないんやで、意外に手に入るんだよ薪ってと岡本代表は、はなし始めたのだ。

「街路樹ってあるでしょ。あれって邪魔にならないように枝打ちするじゃないですか。あの枝って、お金払って、ひきとってもらってるって知ってました?」

というのだ。ええ、そうなのかと私は答えた。そのやりとりが、キッカケでランバージャックスを立ち上げたのだよと、のちに社長は語っていた。

世に余っている木がある。なのにそれを必要としている人の手に、それは渡っていない。なにかできるのではないか、というのが発端だったようだ。

彼はそのあと、さっそくランバージャックスという団体を立ち上げた。当初のコンセプトは、自分の薪は自分で調達しようぜという至極単純なものだった。

その活動から始まったランバージャックスが今では、山から木を切り出し、それをモトクロスレースの障害として、設置するという完全に林業のひとつのようなものへと広がった。
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(photo by Atsushi Okamoto)
ただただ、ストーブの薪を自身で、ということが、いかにして、そこまでのものになったのか。それについては、また追って記事にすることにする。

何かのことを起こしている皆さん、そして、起こしているがなかなかうまくいかないとお悩みの皆さん。もしかしたら、みせ方が違っているかも知れませんよ。自戒の念も含めて、ここに記しておくことにする。

ランバージャックスの今後に、ぜひ、注目していただきたい。

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