人間的にこれでもかというほど嫌らしい俺。クリティカルな思考はどうしたって起業には必要だと俺は思う。

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22年間現実の世界に生きていた。

「これが今月の新製品だ。チームで1000万売る。既存品の中のこの4品が今月の注力品だ。4品で4000万売れ、合計5千万円。どう売るか考えよう」

数字は架空だが、月初の会議ではこういった現実的な数字が商品があげられ、明確な目標があった。そんな生活に来る日も来る日も追われていた時、ある楽しそうな会にでかけた『自分の好きなように生きようぜ、好きなことだけする人生を生きようよ、もっと素敵な未来があるからね』

病んでいたのだろうか、日々の生活に疲れていたのだろうか、壇上に立って話している講師は輝いていた。講義をいっしょに聞いていた参加者の目はキラキラしていた。懇親会では決して会社の飲み会のような愚痴がでない。上司がどうの、会社の待遇がどうのってのは一切でない。みな前向きだった、未来を、夢を大いに語っていた。実際に脱サラして独立して夢をかなえている仲間の話は新鮮で刺激的だった。

週末のそんな会を終えて帰路につく僕は意気揚々としていた。こんな会社とはおさらばだ、俺は独立して一国一城の主になるという思いがいっそ強くなってきた。会はだいたい土曜日に開催された。懇親会を終えて家に帰ったときが興奮度がマックスだ。その後寝て、日曜日には少し熱が冷めている。情熱大陸の放映時間にはだいぶ冷めている。明日からまた会社かとため息をつく

月曜の朝。あの興奮はまたない、現実的な世界にもどり、クライアントをまわり、ああでもないこうでもないと商品を売りまくる。そして売れました、売れませんでしたと上司に報告する。よくやった、馬鹿かお前はと評価をいただく。エネルギーはだんだんとすいとられ週末にはヘロヘロになる。でも大丈夫だ、週末は、先週セミナーであった仲間とのお茶会だ。もうちょっとだがんばれ。

こういう感じの人生を送りながら、定年までサラリーマンを勤め上げる人のほうが多いと思う。そのうち何人かは夢を追って脱サラする。そしてそのうちの9割は失敗して挫折する。そのうちの半分以上は再就職するだろう。残りの半分はもういちどチャレンジ、もう立ち直らないって人たちだろうか。

私はといえば、日々ノルマに追われ数字へのプレッシャーは半端なく嫌だったが、月曜日が嫌で仕方がないほどではなかった。歩くように息をするようにセールスをしていたので感覚が麻痺していたのかも知れないがサザエさん症候群ではなかった。ただそういう人は友達に何人もいた。週末にゴルフにいったりサーフィンをしたりすると後半には、また明日から会社かとため息をもらすやつはたくさんいた。実際には多いだろう。

だからといって、自己啓発系のアゲアゲ系のセミナーに行く人はほとんどいなく、週末は遊び、週日は仕事という生活をみなおくっている。

ではいったいどちらが幸せなのだろうか。週末のセミナーは確かに楽しい。仲間もできる。ところがそれはどこか現実離れしていてふわふわしている。サラリーマンは超現実社会を生きている。そのギャップにやられる部分もあるだろう。

もうかるのは誰か

そういうセミナーにでて実際に独立する人はすくない。でもいつか俺もと通い続ける。通いそこにいることが目的となってしまっている人もいる。となると、一番儲かるのはセミナー主催者だ。なんかいいなあって感じを与えていれば人はきつづける。独立しないならなおいい、ずっときてくれるからだ。

登壇している講師は声高に主張する「わたしはこうやって好きな時に壇上にあがり、すきなことだけいっていることで食って行けています。みなさんにもできます。わたしだってついこないだまでそっち側にいたのですから」とやる。この人は何で食っているかを考えればすぐにわかる。話を聞いているあなたがはらった講演料だ。

世の中の発言のほとんどがポジショントークだという。そのポジションに有利に働く話を、無意識もしくは意識的に人はするというのだ。なんでこの人はこんな話をするのかなと考えるとおもしろい。ああ、なるほど、これを売るためねってのが見えてくる。この話も当然だが、なんらかのポジショントークになっている、ぜひ考えてみていただきたい。

ワクワクする参加者

脱サラして5年前に独立した俺は、そんなセミナーで知り合った人たちと仕事をする機会も多い。厳しい世界で夢をもって独立するような人たちだから、こうやりましょう、きっとすごいことになりますよと仕事をいっしょにしようと声をかけてくる。かなり具体的なはなしもあり、よしやりましょうと、実際に動き始めるが、ナシのつぶてってケースが多い。

サラリーマンでセールスしている時は皆無だったので驚いた。やるっていったらやるし、やらないときはやりませんという。なのに、そうではない。やるっていったから動き出したのに、ほったらかしってのが結構あるから驚く、笑える。

彼らの夢は妄想なのだろうか。目標は現実的ではないのだろうか。

最近はだいぶなれてきた。あせって動かないことが大切だ。

好きなことを仕事にするってには、最高に幸せで、実際問題として最高にたのしい、日々幸せ満開だ。だからホリエモンがいうところの、好きに没頭しろ、やがてそれが仕事になるかもしれないってのは大いに賛同できる。だから、やればいいと思うが、厳しい現状があるってのも知っておくといいと思う。

思考は現実化する、引き寄せの法則ってのはあると思うが、実際は売ってなんぼって世界だからね。あなたのその価値を日本円に変えないと、お米も買えないのである。

2017年4月8日 しんちゃんの哲学カフェ2開催
2017年4月8日 しんちゃんの起業カフェ
2017年5月5,6,7日 第14回EOD@鳴尾浜
2017年5月予定 第5回結婚を語ろう会
2017年6月予定 サーフィン上達講座