フランスからユニークなスニーカーを輸入した貿易商が東京にある。
その企業に、私はマーケティングとセールスのアドバイスをするコンサルタントとして絡んでいるが、今回、セールスとしてもやってくれと白羽の矢がたった。
私が元セールスであるというのを当然知っている彼は、この男なら大丈夫だと仕事を完全に俺に投げてくれたのだ。そこまで信頼してもらっているならと、俺は立ち上がった。
仕事の詳細はここで書くことはできないが、輸入している商品を、このたび、大阪の大手デパートが期間限定で販売してくれることになった。その商品を陳列する場所をくれるので、そこに商品を展開し、販売できる状態まで持っていくというものだ。
8日の19時に行ってください。商品やディスプレーは送っておくので、行ってやってきて、よろしく。
それだけの指示だ。もちろん、信頼してくれているからなのだが、果たして、あなたはこの指示だけで、動けるかということなのだ。そこから、全て自分で段取りして、店頭に行って、商品を並べ、よりよく売ってもらうえるようにするというのが仕事だ。
色々ある。
どうやって入ればいいの?どういう感じで入っていけばいいの。デパートのフロアーに汚いダンボールを並べていいの?どこまで許可がいるの?写真はとっていいの?電話はしていいの?
そういうこまごま、したことを含めて考えないといけないと思うと、はたして何人の人間が、行動できるだろうか。
好きなことで商売を始める人で、営業の経験がない人は、まずここに強烈な不安を感じると思う。
店長とのやりとり、バイヤーとのやりとり、スタッフとのやりとり、やりとりしている時にきたお客様への対応。今回のように小売店の店頭で、作業をするということになると、とんでもない数の気を張る必要がある。
私が昔いた会社の内勤の人は、営業に回されることとをいつも恐れていたが、そういう部分も含めて、怖かったのだと思う。
今回仕事を私に依頼した社長と付き合いは長い。だが、私が営業をしている現場を見たことはない。でも、今回は、とんでもない安心感とともに、私に仕事を依頼したと言っていた。
仕事はみてないが、普段の感じで、こいつなら大丈夫と判断したのだろう。
仕事ってそういう感じだ。そういう部分は大いにある。
好きなことを仕事にする場合、そして営業をしたことがない場合、普段の立ち居振る舞いからはじめよう。何も難しいことはない。しっかりあいさつをし、約束をまもり、お礼を言う。そういうことを丁寧に繰り返すことが、あなたに仕事を運んできてくれる。
いきなり売り込みが得意な営業マンになる必要はまったくない。丁寧にゆっくりはじめよう。
まずはきっちり、コミュニケーションをとっていこう