統合的に学ぶ

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久しぶりにゴルフに行った。今年5回目。練習は全くしていない。それでもスコアは38/39の77。ゴルフをやる方ならお分かりだと思うがなかなか出るスコアーではない。別に自慢しているわけではない。

練習も全くしていないのに久しぶりにクラブを握ってこのスコアがでるのは、かなりレアなケースなので取り上げようと思ったのだ。

例えばスイング。ゴルフスイングはリズムやテンポが大切と言われる。これは、ほとんど正しい。正しいリズムとテンポでスイングできれば、そのスイングがある程度正しいなら、そこそこ安定した球を打つことができる。ところが、わたしは、このテンポとリズムを全く意識せずスイングを作っている。どのリズムでもどのテンポでも正しく球にコンタクトする、正しい軌道を通るスイングをまず作っているのだ。

テンポやリズムをのせるのは、そのベースとなる正しい軌道を作ってからなのだ。これを逆にしている人が多い。たまに、ゴルフ練習場で、おそろしく複雑怪奇なスイングで安定した球を量産しているゴルファーがいるが、その人たちは私と全く逆なのだ。そう、テンポとリズムで、ほんの瞬間、球がヘッドに当たる瞬間だけがスクエアになるスイングを、恐ろしい練習量で、そのタイミングを図っているのだ。

そういう人たちは練習しなくなった瞬間に、球が打てなくなる。リズムを刻まなくなるからだ。もう練習でテンポとリズムを保ち、その紙一重のタイミングを作らなくてはならない。

わたしは、そんなに練習する時間をとれないと最初から分かっていたので、このリズムに頼ることをしなかった。私のスイングはシャフトがこれ以上ないほど正しい軌道を通っているので、スクエアな時間が長い。だから、多少タイミングがずれても、しっかり当たる。

ほとんどゴルフクラブを握らなくてもソコソコの球を打てる要因のひとつがそこにある。もちろん、それ以外の要素もたくさんあるが。

ゴルフを上手になりたい人はたくさんいる。私に教えを請う人もたくさんいる。ところが、その殆どの人が途中で私から離れていく。何故か?その人達は良いスイングを身に付けたいという思いだけで習いにきたり、良いスコアを出したいから教えてほしいと習いにくるからだ。

はい、わかりました。そのためには、実はこれだけのことを知らないと駄目なんですよと説明する。ところが、本人はそんな事はどうでもいいから、良いスイングをしたいだとか、良いスコアで上がりたいんだ、余計なことはいいんだよ、ってなる。それでは、絶対にゴルフは上手くならない。英語とかプレゼントか起業も同じ。全体を見て、あなたをみて、あなたが強化しないといけないところを統合的に判断して、メニューを作っているのに、身も心も預けないで、上達するなんてありえないのだ。

でも、残念ながら、それをできる人はほとんどいない。たいして上手くないのに、それまでの自分を捨てきることができないのだ。年に6回〜7回程度しかラウンドしない、練習を全くしない人間が、たまにゴルフに行って77を出す。その人間のゴルフを統合的に見る思考と眼力はとんでもなく高いと思ったほうがいい。わたしなら、プロであろうがなかろうが、その人に月5万払うから1年で90切れるようにしてくれと懇願し、その人にお金を払って、徹底的にしごいてもらう覚悟で飛び込む。

それが結局一番の近道だし、お金の節約になる。

ゴルフには、スイング論、トレーニング論、コースマネージメント論、メンタル論、ショートゲーム論、パッティング論、コントロールショット論、ビックゲーム論、用具論、ファッション論、エチケット・マナー論がある。これだけの、カテゴリーの分析を終わっており、統合的に俯瞰し、今この人に必要なのは何かを判断し、トレーニングメニューを作りって人はどれだけいるだろうかと思う。

90を切るためにはまずスイングだと思って、レッスンを受けても、実はその人に必要なのは、スイング練習ではなかったということもある。その見極めが自分でできるだろうかということなのだ。

今回はゴルフを例に出したが、英語でも起業でも同じ。そういう観点を持った人からモノゴトを学ぶことがものすごく大切だが、それに言及している人はまあいない。