ブログのネタは机にしがみついていてもでてこない。ブロガーよ、手帳を持って街にでよう。

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「いらっしゃいませ〜、おひとりさまですか?」

この決まりに決まりきった声かけにすなおに答える術をまだこの年になっても持ちあわせていない私は、みたらわかるよね、後ろに誰かいるかって感じを伝えるために一度後ろをふりかえって右手の人差指を立てる。間違っても中指は立ててはいけない。

もちろんわかっているんです。

先に俺だけはいって、あとから連れがくることだってあるからね、その時のために聞いているんだよね、みたらわかるやろひとりに決まってるやんけってのはこちらの都合だよね。申し訳ないとおもいながらも、毎回それをしないと気がすまない私は、そうやって答えた。

奥のカウンターにどうぞと案内された。焼き飯を作るためにフライパンを豪快に振っているチーフが見える場所だ、悪くない。

尊敬するライターで俺のプロデューサーがおもしろいからと貸してくれた国分功一郎先生が書いた『哲学の先生と人生の話をしよう』という本を、席に座って餃子定食を注文したあと開いて読み始めた。この本は、哲学の先生が人生相談にのるというていで書かれた本なのだが、この先生の回答がやたら深くておもしろいのだ。

俺には絶対にこの回答はできないってのをバンバンやってくる。俺はフムフムと感心しながら読み進めた。

本ってなかなか進まない時がある。著者の考えが自分の脳味噌をかき混ぜる。お前も考えてみと、難題をふっかけてくる。さすがにこの哲学の先生の本は全然進まない、5行ごとに考えさせられるのだ。

ある文章にひっかかて、本から目を離し、ボーッと前を見て考えていると、チーフが焼き飯を豪快に空に飛ばしながら、真っ黒いおおきな中華鍋をガンガン振っているのが目に止まった。その動きは僕にあらたな思考を始めさせた

オーリーや

そう、僕は彼のその姿をみて心のなかでこうつぶやいたのだ。その瞬間に胸からコクヨの野帳とよばれる幅9センチ長さ14センチくらいの手帳をとりだし、ボールペンの蓋を加えてあけ、ノートに書き綴った
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王将焼き飯フライパンオーリー

と。哲学の先生どころではなくなった。

私は16年間にわたりサーフィンの上達法について研究している。日々、どうやったらこれを、必要としている人の元へ届けられるかを考えている。

スケートボードやスノーボードの技で、オーリーというのがあるのだが、その動きがサーフィンの基本だというのを最近発見した。それで、それを伝えているのだが、色々な人がいるので、色々な伝え方をしないと伝わらない。だから、私は手を変え品を変え伝えいている。

先日評判ががよかったのは

井戸のポンプだ

井戸のポンプの動きがそのオーリーに近くて、それをブログに記した。すると、反響があり、セミナーを開催した時に、あの井戸のやつがめっちゃハマりました。あれで、一気に河村さんの理論がわかりましたと言われたのだ。
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この井戸は仕事中に見つけた。滋賀県の近江八幡市近辺の田園を走っていたとき、フと左側に目を向けると田んぼの真ん中にこれがあった。

オーリーや

私は思った。井戸のポンプはオーリーにぴったりやと。私はUターンし車を脇に寄せ、近づいた。おおおお、オーリーやとさけびながら、なんとか上に立てないかと思ったがそれは無理とあきらめ写真だけとった。

興奮しながらブログに書いたが、大反響だった。セミナーでも、あの井戸のポンプでわかりましたよと言ってくださった人もいた。

私がブログで伝えている法則はそう多くない。あってもみっつくらいのものだ。それを何度も何度も色々な角度から書いている。ひとによって感覚がちがうから井戸が合う人もいれば王将が合う人もいる。

あなたが書きたいこと伝えたい事はなんなのか決めよう。そして、それについてアンテナをたてよう。そうすればネタは自然とガンガンはいってくる。そうやって入ってきたネタは、信念が背景にあるので伝わりやすくなる。

野帳をもって、街に飛び出そう