地味にすごい校閲ガールのえっちゃんこと河野悦子は自分のことなんて考えてない

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いいものを残すために徹底的にやるという姿勢は恐ろしいほどの活力に満ちていてそれを目にしたものの魂をこれでもかと揺さぶる。瓶の底に貼りついた冷蔵庫に入れておいたことで粘度をました最後のケチャップを使うためにそれを瓶のフタの部分に移動させるように瓶の胴体の部分を手のひらで強く握って親の敵のように上下に振るときのように魂を揺さぶる。

その活力はすぐに横に広がっていく。風が全くない夕凪の湖面にどこからともなくとんできたイチョウの葉が水面に落ち、その波紋が同心円を描いて外に広がるようにあっとういまに伝わっていく。その活力は仕事を終えて帰路につこうと思っていた同僚を呼び戻し、締切に間に合わないからと休日出勤した分の代休をとっていた上司をひきつける。

誰にも矯正されていないのに誰からも頼まれていないのに、それは波及する。北風が無理矢理服を脱がそうと旅人に息を吹きかける方法では人は動かない。ただただ太陽のように自家発電が起こってしまうほどの活力を持ってそれに取り組むことがそれをよぶのだ。結果は結果である。私はねこの本が10冊目の出版なんですよわずか1年ですからねとドヤ顔でインスタに登場するにわか作家が有名になりたいために本をだすのとは正反対に位置する。ただただ、お客様のためにと世界一吸引力のある掃除機を作っていただけですよ400億ドル?結果ですよ結果意識なんかしたことがない。

目の前にある仕事をたんたんとこなす。大谷選手が曼荼羅に目標達成のためのタスクを書き、書いたら最後それを履行するためだけに動くようにただひたすらやりつくすことが全てに波及するのだ。

ひとからどうみられるなんかを気にしている暇はない。上野動物園のパンダはみられることなど意識しているだろうか。ただただ与えられた笹の葉を食べているのだ。その姿がいとおしくてたまらないと人が勝手に集まるのだ。俺たちは、真剣に事をなしているだろうか。決めたタスクをただただやり続ける。これ以上にやれることなどおそらくない。神が与えたもうた必然をただただやりつくすことが人生を豊かにする最善の策ではなかろうかとおもうのである。

地味にすごい校閲ガールのえっちゃんこと河野悦子。彼女は周りに熱を伝えていく、太陽が旅人の服を脱がしたのと同じ方法で。