実績はある、教えるのも上手い、でもなんか嫌だ。

シェアする

こういう判断は意外に正しい。

そう感じたのなら、あなたがその人から何かを習える可能性は非常に低くなる。相性がよくないから、辞めたほうがいい。いちいち何かが引っかかってくる、ウザいってなる。

それは単に相性の問題、その人が優秀でないという言うことではない。

こういう事が何回もあった。30代前半の時にゴルフにはまった。優秀なインストラクターから習おうと、探したら、たまたま近くに全国から習いにくる人がいるほど有名な人がいた。これはラッキーと早速申し込んだ。

全10回のコースで結構な金額だったと思ったが前払いした。ワクワクして臨んだ1回目。とんでもなくウザかった。1回目だけ何とか我慢して受けて帰った。私が若く生意気だったから、インストラクターも横柄だったのかもしれないが、相性は最悪だった。残りの9回は捨てたことになる。

選択は間違いだった。でもお金がもったいないからと、いやいや行くよりは辞めたほうが良い判断だったと思う。サンクコスト(埋没費用)という用語がある。私が全10回のレッスンに払ったお金が埋没費用だ。例えばそれが5万円とする。5万円がもったいないから、相性もよくないのに通い続けるというのは経済学的に言うとダメな行動と言うことになる。

でも、その金額が大きければ大きいほどもったいないと思って、やってしまう。その時間が無駄じゃない?っていうのが経済学の考えかた。映画の例がよくだされる。1800円払って入った映画がつまらない時に時間の無駄だとすぐに出れるかどうか。経済学的には、とっとと出て、その時間を他の生産性のあることに使うほうがよいとする。

でも、なかなかできない。1800円がもったいないと思って見てしまう。私はとくにそうだ。

これは事業にも言える。時間とお金をかけて取り組んでいる事業がなかなか日の目を見ない。本当ならここで撤退するほうが良い、今後も成果があがる可能性は低い。ところが、今までにかけてきたお金と労力を考えると踏ん切りがつかず、ずるずるとやってしまう。

かなりシビアな決断が求められる場面ではあるが、しっかり考えて決断したい。

セミナーの類も行ってみるまでわからない。なんじゃこりゃってセミナーもいっぱいある。主催者や講師が顔見知りであれば、なかなか帰ることができないが、全然知らないセミナーは、例えそれが2時間1万円のでも帰る。精神的にも悪そうなので。

できる経営者はこのあたりの判断がきっと的確で速いんだろうなと思う。埋没費用は回収できない。あかん、次やという判断、できるときっと変わってくるような気がする。