絶対に忘れてはならない事

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師匠を超えてしまうことがあります。

何でもいいです。何にしましょうか。そうですね、最近はやりのFacebookにしましょう。

あなたは何らかの理由でFacebookを始めることになった。それでネットに詳しい友人に聞いてみることにした。この友人は仲間内でも一目置かれている。パソコンやインターネットに関しては奴に聞けばいい。詳しいし丁寧に教えてくれる。

あなたは早速彼の家に行き教わった。彼はさすがだった。あなたがどういう目的で始めるのか、何に使うのかを聞いたあと、あなたに必要なものだけ丁寧に教えてくれた。使うに当たってのリスクも丁寧に教えてくれた。

ひととおり教わったあなたは、早速それを使い色々やり始めた。もともと好奇心が強く集中力のあるあなた。凄いスピードで上達していった。

久しぶりに彼に会った。彼は早速あなたに聞いてくれた。Facebookのほうはどう、続けている?と聞いてくれた。あなたは、うん、と答えた。すると彼は、Facebookが最近追加したあらたな、技術についてあなたに話し始めた。あなたにはきっと役に立つだろうと、調べておいてくれたのだ。

それを聞いたあなたは少しがっかりした。かれが最新アップデートだというその技術はもう2か月も前に更新されたものだった。あなたは当然つかい、すでにさらに新しいバージョンにアップしていった。

最初に丁寧に教えてくれたのはありがたい。感謝している。でも、今では俺の方が全然詳しい。彼から学ぶことはもうないなとあなたは思った。凄いと思ってたけど、あまりたいしたことなかったなとあなたは思った。とんでもない、ふざけんな小僧である。

実は彼、彼にとってFaebookは現在まったく必要のないものだったのだ。でも、あなたがそれを使うのを知っているから、あなたのために情報を収集してくれてたのだ。あなたは毎日それが必要だから使っている。技術があがるのはあたりまえだ。

この話はフィクションだ。でも、これに良く似たケースを結構みる。そのたびに私はいらいらしている。最初に教えてくれる人がいなかったら、あなたはFacebookをはじめることすら出来ていなかったかもしれない。他の人から習って出来ていたことも考えられるが、ここまで最速で技術を学べたのはそのひとの、初期の教え方が最高に良かったからかも知れない。

そこに敬意を表せず、なにもかも自分一人で上手くなったと思っている奴は問題外だ。結構いるから要注意だ。

私は整理整頓が大の苦手だった。それがあるひとからあるものを教えていただいたのがきっかけで、整理整頓が出来るようになった。整理整頓ができるようになったら、頭の中の整理まで上手くなり、仕事の効率があがった。

かれはそんなに多くの事を教えてくれたわけではない。「操さん。クイックルワイパーを買ってそれでとれあえずほこりをとって。たまってからとるのじゃ駄目だよ。毎日とって」と言われた。わたしは早速購入し、車のダッシュボードのほこりを毎日とりはじめた。

それを毎日すると、他の箇所が気になり始めた。ハンドルやサイドブレーキの周りのほこりが気になり始めた。それがどんどん広がり、部屋の机まで掃除するようになった。それから一気に整理整頓に興味がわき、<断捨離>や<こんまりさん>の方法をやった。技術があがり今は、快適な場所で仕事をすることができる。このふたつの方法はすばらしい。リバウンドが起こりにくいすばらしいものだ。

でも、私が本当に感謝しているのは先の彼だ。クイックルワイパーを使えと言う単純な指示。技術的にも何を教えてもらったわけではない。ただ買ってほこりをとれと言ってくれただけだ。わたしはそこは絶対に忘れない。技術はこんまりからならったが、マインドは彼から学んだんだ。技術的に私が彼を抜いたからと言って、彼がいたから今の私がいるのは間違いない。

「青は藍より出でて藍より青し」

弟子が師匠を抜くなんてことはしょっちゅうある。そのうち弟子は天狗になり、自分一人でここまできたと思ってしまう。

この部分。本当に意識しないといけない部分。師匠がいたから今のあなたがあるんだ。このことを肝に銘じた弟子はさらに成長する。