資格を持っているかどうかより大切なこと

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私は経営コンサルタントだがなんの資格ももっていない。

さいわいなことにコンサルタントは資格をもっていなくても就くことができる。

資格を持っていたほうがいいとか悪いとかって話にはよくなる。先日も銀行に融資のお願いにいったら、はあ、そうですか、資格をお持ちではないのですねと、ものすごくがっかりしたようすで言われた。結論を言うと、資格を持っていても、持っていなくても、どっちだっていい。いや、持っていたほうが若干有利かなとは思うが、そんなことを気にするより、もっと気にしたほうがいいことがある。

もちろん、資格がないと携われない仕事に関しては、この限りでないので、それ以外の話だとご了承願いたい。

資格を持っているとか持っていないとかより大切なこと

それはずばり、その使いかただ。

資格を持っているなら、持っていたほうがいいに決まっているやん、へ〜、あなたは無資格のコンサルタントに、そんな大金を払っているのですかと、これから契約しようとしているクライアントに、上手く伝えればいい。資格を持っているメリットを伝えればいいのだ。
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例えば、こんなふうに、

「なるほど、そのかたは22年間のセールスの経験をおもちなのですね。それをいかして、御社の営業部の研修をされていると、それは実にすばらしいですね、経験にまさる理論はありませんからね、すごいです。ただですね、ちなみに、わたしは中小企業診断士という国家資格をもっていますが、診断士は、人事や経理にいたるまでのことを、ひととおり勉強します。中小企業の全体像を、財務のめんからもとらえることができます。財務的にみると、もしかしたら、御社がいますべきは、営業の研修ではなく、営業マンのリストラかもしれません。残念ながら、営業一筋の人には、そのあたりが見えていない可能性があります。資格をもっているかどうかは、別にどうだっていいのですが、診断士は、いちおうひととおり勉強しているということですね、俯瞰がとくいかと」

いいますね。それで、ライバルの叩き上げのコンサルを上手くつぶします。では、もし、資格を持っていなかったらどうでしょう

「なるほど、今契約されているコンサルタントさんは、診断士さんでいらっしゃるんですね、すばらしいです。財務や人事について勉強されているので、企業の全体像を把握して適確なアドバイスをしてくださりますからねえ、理論もしっかりされていますし、いいご選択だと思います。ところで、ちなみになんですが、その診断士さんは、営業を経験されていますか。ああ、そうですか、されていない。ずっと総務部におられて、定年後資格をとりコンサルタントに、なるほど、そうなのですね。どうですか社長さん、研修をうけておられる御社の営業マンのかたは、今まで以上に、営業に精をだすかんじってありますか。現場のやりとりって、営業マンにしかわからない部分がありますからね。最前線でおこなわれてることって、ほぼ理不尽ですからね。論理的思考とか、理論的にとかいいますが、それって、相手が論理的にはなしてくれるという前提がありますからね。奥さんと喧嘩したてで、感情がマックスまで高まっている社長に、理論なんか通じませんからね。こっちが、何も悪くないのに、アポもとって訪問しているのに、かえれ〜ぼけ〜って企画書なげられるとか日常茶飯事ですからね。それを経験していないひとにしかわからない部分ってありますからね、いや、もちろん、診断士さんも営業の勉強はされていると思いますよ、講義で」

と、多少嫌味っぽく、露骨すぎる感じにはなったが、そのあたりを上手くまるめて、言うことができる。

要はポジショントークしましょうってことです。

資格があるのがいいとか悪いとかは知りません、どっちだっていいです。大事なのは、あなたが資格をお持ちなら、それを上手く使い、お持ちでないなら、それを上手く使う方法があるので、そこに注力しましょうよってことです。

結婚アドバイザーには離婚経験者も多いですが、みな、離婚したからわかるんですよと武器にしています。離婚していないアドバイザーは、ゆーても、その人結局離婚しているじゃないですか、それじゃ説得力ないよねと離婚経験アドバイザーを揶揄すればいいのですよ、上手くね。

世の中に存在するそのほとんどの発言がポジショントークです。それがいいか悪いか言ってる暇があったら、あなたのポジションをいい位置にあげるための、記事を上手く書きましょう。真正面から揶揄したり、卑下したりせずにね。