人とシステムの関係

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事業を大きく展開していこうとすれば仕組みやシステムと言うのは絶対に必要になるとおもう。マクドナルドやスタバはおそらく強靭なオペレーションシステムがありマニュアルがある。

それなくしては全ての店舗で安定したサービスを提供することが出来ない。スタバでは連日のようにスタッフが分厚いマニュアルから要点を自分のノートや手帳に書き写して学ぶ姿勢が目撃される。バリスタとしてのコーヒー豆の勉強からはじまり、接客のこころえなんかも学んでいるのだと思う。

それもあって、全国にチェーン展開する多くの飲食店では、どの店舗でも共通のサービスを受けることができる。静岡県に行っても、<わたみ>に行くが、それはサービスが安定しているので不安がない。

先日<わたみ>に行こうとしてたのだが、居酒屋のスタッフの強烈な売り込みによりその店にはいった。今はやりの個室対応で個室に入れてもらった。するとエリアマネージャーのどなり声が聞こえてきた。

完全個室なので扉が完全にしまっている。完全に私たちの事を忘れて店長にどなりまくっている。「お前は馬鹿かデザートのメニューがこんなんでどうするんだ。デザート客に食わせて、客単価あげないとどうしようもないだろう」とやっている。

始めは裏側が聞けるかと声をひそめて聞いていたが、あまりにひどいので、気分が悪くなってきた。早々に店を出て、ワタミに行った。居酒屋のはしごだ。ワタミについた瞬間に、やっぱり安心すると、ほっとしたのを覚えている。

まあ、それほどチェーン店と言うのは徹底したオペレーションで見事に運営されている。

ただ先日そんなでもないチェーン店に出くわした。そのチェーン店は見事にオペレーションが行きとどいていて、今まで行ったどの店舗も、素晴らしいサービスを提供していた。だが、その店は違ったのだ。何かがおかしい。

私は、その店のおかしさに興味を持った。

何故おかしいのか研究した。すぐにわかった。さすがベテラン営業マン河村操である。店長がおかしいのだ。マニュアルをつかってサービスをおこなっている。他店舗となんら変わりがない。でも店長がおかしい。

店長がちょっと怖いのだ。

それが店全体にひろがり、変な空気を漂わせている。店長が社員に何かを言う。言われた社員はおびえる。社員はパートさんに言う。言われた社員は、パートさんに多少辛くあたってしまう。それが繰り返され、みな店長の顔色を見て仕事をしている。

こうなったら終わりである。客の事なんて知ったこっちゃねえ。その日厨房を中心に6名のスタッフがいた。客は私を含め3人だった。私は帰り支度をはじめた。こそっと帰る事もなく、割とばたばた帰った。

なのにである。誰もありがとうございましたと言わない。だれも気づかないのだ。誰も客を見ていない。私は相当でかい。それに気づかないのはありえない。

その店舗に久しぶりに行った。状況が違っていた。入った瞬間「いらっしゃいませ」と元気な声が飛んできた。おー変わったのかと一瞬思った。でも、なにか違う。元気はいいが客のほうを向いていない。

何故なのか、研究した。わかった。今日は店長がいないのだ。だから従業員のたがが外れているのだ。解放されて元気元気。元気はいいのだが、その店は雰囲気を一緒に売っている。なのに、従業員どうし話をしまくっている。うるさくて仕方がない。

他の店舗ではありえない。おそらく、マニュアルにあるはずだ。勤務中の私語厳禁と。ひどい状況になっていると思った。

これを見て思ったのだ。システムを運営するのも人なんだと。個人の力量に依存してはなかなか広く運営するのは難しい。だからシステムをつくる。でも、それをやるのは最終的には人なのだ。

そんなに簡単にはいかない。