藍よりいでても藍をわすれることなかれ

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師匠がいたからですよ。

あなたがその域まで来たのは師匠がいたからですよ。その人の事を忘れてはいけない。師匠じゃなくてもいい。あなたにその世界の素晴らしさを教えてくれた人の事を忘れてはいけない。

あなたにとって始めての事をその方から教わる。あなたはまったく何も出来ない状態で色々教わる。その人はまるで、神のように見える。凄すぎる。こんな人になりたいと思う。でもそう簡単にはなれない。一生懸命がんばろうとこころに決めがんばる。

何年か教わっているうちに当然あなたの技術レベルは上がってくる。すると、途端に神に見えたその方が完璧でないと気づく。そして徐々にあなたのほうが長けている部分もでてくる。

神ではなく、普通の人だという事に気づく。そして徐々に師匠から離れて自分でやりだすようになる。かなりのレベルに来たあなたは思う。俺ってすごい。しまいには、師匠の存在をまるっきり忘れ、自分1人で学んだような気になってくる。ちょうど、子供が1人で大きくなったと思っているのと同じような感じになる。

ふざけるなである。

その人がいなければ今のあなたはないと思わないと行けない。その人のレベルは一切関係ない。初期に懇切丁寧に指導してくださったのはその方なのだから。それをすっかり忘れてしまう、というのは実は結構頻繁に起こっている。

今のあなたのその技術、一番最初に教えてくれたのは誰ですか。

私は日記に残すようにしています。決して忘れてはいけないことだと思うから。