半沢直樹にみる関西弁考

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今更語るべくもない程人気絶頂のドラマ『半沢直樹』視聴率も30%を超え、その数字も上昇中だ。半沢直樹は異動により大阪から東京に戻ったので関西人の私には少し寂しいがそれでもやはり面白い。

さてこの『半沢直樹』関西人の役で何人か出演している。半沢直樹の父親役で笑福亭鶴瓶、半沢に協力する倒産した町工場の社長役で赤井英和、そして前半関西編で脇を努めた西大阪スチール社長東田役の宇梶剛士。赤井と鶴瓶師匠は関西人なので関西弁は全く問題ない。ところが宇梶さんの関西弁があきらかにおかしい。関西の人にとっては相当違和感があったはずだ。

たくさん俳優なんているだろうに、なんで関西出身の役者を使わないんだろう、そう思った。これについてはいつも思う。NHK大河ドラマ『平清盛』に出演する兎丸(うさぎまる)役の加藤浩次や東野圭吾原作『白夜行』の刑事役、武田鉄矢の関西弁もあきらかに本物のそれとは違う。いっぱいいるでしょうって思ってた。

ずっと違和感がありそれに対して怒りも覚えていたのだが、この前、ふと思った、気にしてるのは関西人だけじゃないのかと。おそらく関西以外のほとんどの人にとって、彼らの話す関西弁風の言葉はあきらかに関西弁なのだ。西大阪スチールの東田も平清盛の兎丸も白夜行の金八先生も立派な関西人なのだ。

これらの番組はおそらくほとんど東京で作られている。東京に住む人たちはおそらくさほど西に興味を持っていない。西の人が東に興味を持つほどには。

当然方言指導は入っている。だが大人になって英語を学んだ多くの人たちがアメリカやイギリスのネィティブスピーカーのように話せないのと同じで関西弁ネィティブになるのは難しいと思う(そんな事を願っている人は少ないとおもうが)

半沢直樹が東京に異動し少々悲しいなか考えてみた。関西弁が関西弁であろうとなかろうと大勢には影響しない。新島八重の会津弁がネィティブかどうか関係がないように。