『重版出来』の主人公、黒沢心はコミュニケーションの達人である。

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重版出来というドラマを今やっている。

人気マンガのドラマ化だが、これが最高におもしろい。

黒木華演じる、ちなみに華と書いてはると読むからお見知り置きを、主人公の黒沢心は、オリンピック候補の柔道選手でバリバリやっていたが、怪我で引退を余儀なくされ、出版社にはいり、編集者になったという設定。

体育会出身だから、まっすぐで、まじめで、のりが体育会系という、ありていの設定なのだが、まあ、これが見ていて痛快なのだ。その中で、ああ、この人は天才的に、天然的にコミュニケーション能力が高いなあと思えるシーンがあった。
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もしあなたが、黒沢心のように人に接すれば、ものすごい人間になること請け合いだ。こんなシーンがあった。

黒沢心が、世の中に疲れ、少し冷めた感じで生きている相手に「がんばりましょうね」と満面の笑みで声をかける。暑苦しい感じとともに。すると、当たり前のようにその相手は「おれ、がんばれって言葉が一番きらいなんだよ」って言うんです。

すると、黒沢心はそれを気にするようすもなく、普通に「そうなんですか、私は大好きですよ。なんかがんばれって言葉を聞くと元気がわいていくるんです」と言ったんです。

なんだよ、こいつは、もううっとうしいなあって顔を相手がしたとき、黒沢心は続けて「でも、そうですよね、わたしは好きだけど、それを嫌だと思う人いますものね、これから気をつけます」といったんです。

感動しました。

理想的な生きかたであり、コミュニケーションですよね。自分は、それがいいと思ったからやった。でも、相手は嫌だといった。しかし、自分はそれがいいと思ったから言った、好きだから言ったと主張する。

そして、最後に、違う意見があるのも尊重し、相手の話をしっかり受け入れる。

こんな対応できる人がいるだろうか。理想とはしているが、あまりいないし、なかなかできない。

がんばれなんて言うなよって言われたら、相手の気分を害したと、反省するか、なんだよ、こいつ、うざいなあ、おれががんばれって言ってんだから、がんばれよと思うか。

しっかり、自分の意見を放ち、それに対する信念を伝え、そして、色々な考えがあるから、気をつけると、それを受け入れる。

もしあなたの部下に同僚に、黒沢心みたいなひとがいたら、大金を積んででも、首に縄をつけてでも離してはいけない。そんな人材は、おそらく100人にひとり、いや1000人にひとりかもしれない。

年俸を最低1000万円は払って、しっかりつかめておいてください。そんな人、そうはいませんからね。