友達の息子2人も、友達の友達の息子も、としおも皆とても優しいのだ。

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友達の息子二人が、友達の友達の息子から大量のレゴブロックをもらった。
友達の友達の息子は、中学生になるのでもう使わないから、
まだまだ使いたいさかりの子供たちにあげると言ったのだ。
友達の友達の息子は優しいのだ。

レゴを大量にもらった息子二人の母親は、
それがあまりにも大量だったので、息子たちに

「たくさんあるから、としおくんにもあげたら」

と言った(としおは仮名)。

それを聞いた友達の息子二人は
「そやなたくさんあるしな」
と母親のアイデアを承諾した。
友達の息子たちも優しいのだ。

息子たちの承諾を得た母親は早速としおのお父さんに連絡し、
としおのお父さんはそれをとしおに伝え、
としおがきた。

やったーとよろこんだとしおだが、
としおはとても気を使う子。

あまりたくさん持っていったら、
友達の息子たちが悲しむと思って遠慮して少しだけ持って帰った。
としおも優しいのだ。

それを察した友達の息子たちの母親は、
あとでとしの父親に連絡をとった
「ほんとうはとしおくん、〇〇シリーズがほしかったん違うん?
息子たちあげるっていってたよ」
と。

母親はとしおがそれを欲しがっているようなのを見ていて、
それをとしおの父に伝えた。それを聞いた父はとしおに伝えた。
すると、としおはそれをとても欲しがった。いいの?と。

父親は息子たちの母親に伝えた。
母親はそれを息子たちに伝えた
「としおが〇〇シリーズ欲しがってるらしいのよ、あげていい?」
と。
すると息子たちは二つ返事で、
としおが欲しがっているならあげると言った。
息子たちはやさしいのだ。

そしてとしおは再びきた、それを取りにきた。
てれくさそうにするとしおに息子二人の上がいった
「としお、欲しいねんやったら、ちゃんと欲しいっていわなあかんで」
と。

てれくさそそうにうんといったかどうかは不明だが、
としおはよろこんでそれを持って帰って毎日遊んでいるという。

その話を、息子たちの母親が俺にしてくれたのだが、
それを聞いた時に、子どもたちの大人の感じに強烈な感銘と絶望的な敗北を感じずにはいられなかった。

吉野家のカウンターでお前のスマホが
俺の領域にはいってきているとあばれている大人がいたが
爪の垢でも煎じて飲んでいただきたい。

新快速のベンチシートでとなりの人が
半分より少し自分の陣地にはいってきているのを不満としている俺も
やつらの爪の垢が必要だ。

子どもたちは本当に優しい。優しすぎるのである。