英語は英語圏の人とコミュニケーションをとるためのツールであり全てである

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英語は英語圏の人が他の人とコミュニケーションをとるためにできたものだ。当然だが日本人には日本語がある。

私は英語をある程度話すことができる。だから英語を話すことができる人とコミュニケーションをとることができる。

先日バリに行った。バリの人はインドネシア語とバリ語を主に使う。観光が国の産業なので日本語や英語を話す人も多い。日本語と英語を話すことができるバリ人とはコミュニケーションがとれる。ところが私はインドネシア語をまったく話せないのでインドネシア語とバリ語しか話さないバリ人とはコミュニケーションがとれない。

これは何とも寂しくもったいない。せっかく異国に行ってるのに言語ができないばかりにコミュニケーションがとれないのだ。これは私だけではなく多くの人が思うところである。その証拠に、英語を習いたいと思う瞬間のダントツ一位は海外旅行から帰ってきた時となっている。

人はコミュニケーションがとれないとつまらないのだ。気が合う人、共通言語を持っている人とはいつまでも話していたくなる。それは、より多くの言語をつかって頭の奥の奥までを刺激し合いながら話すことができるからなのではと思う。英語はそこそこ話せるので英語を話す人との会話は楽しいけど、日本語を使って話しているのとでは全然面白いレベルが違う。

インドネシ語はあいさつ程度もできない、5語くらいしか単語を知らない、当然心を触れ合うことなんて到底できない。耳の不自由な人には手話が必要だし、目が不自由の人には点字が必要なのは、そういう意味からも当然だ。

すべてのコミュニケーションは『単語』から始まる

ということはだ、単語をひとつも知らないロシア語とかスワヒリ語とかイスラム語はまったくだめで、
数語知っているインドネシア語、ドイツ語、中国語、スペイン語とかは、あいさつやお礼くらいができる
英語は単語も数千語知っていて、それを並べるルール、いわゆる文法も知っているから、前述の言語に比べると圧倒的に話せるが
日本語に比べると全然劣る

また日本語においても例えば経営学の修士であるMBA出身者は彼らなりの共通語をもっているので、経営やマーケテイングの話をするときにはそれを知らない人間より圧倒的に効率よくコミュニケーションをとれる。

私はサーファーだが、サーファー同士で海を見ながら波の話をするときは専門用語や共通言語が飛び交い、サーファー以外には絶対に理解できないものとなるが、サーファーにとってはこの上ない効率のよいものになっている。

コミュニケーション能力の高さとはそこにつきるのではないかと、1年ぶりにバリに旅行して思った。まあ要素は言語だけではないのでそれだけとは言わないが、ロシア語しか話せない人とはまったくコミュニケーションがとれない最低レベルの状態からして単語を知ることは必須である。そしてそれをどう並べどう変化させるかのルールを知ることでコミュニケーションをとることができるのである。

これって超めんどくさい。今からインドネシア語を学んで来年旅にのぞめば、その旅はまちがいなく充実したものになるが、今から数千の単語を覚え、そのルールをおぼえるとなるとぞっとする。

そんな難しいものを発明してでも人とコミュニケーションを取る必要があったのだから、コミュニケーションを上手くとるってのは人間にとってとても大事なものなのだなあと考えることができるのだ。

ビジネスコミュニケーション

日本人が日本で働いているシーンってのが圧倒的に多いと思われるのでほとんどの日本人は日本語を使ってコミュニケーションをとっている。日本のビジネスシーンにおいてコミュニケーション能力が高いってのは、それすなわち日本語の能力が高いと言える。仕事の能力が高い人は、こちらの言語能力や語彙の数をなんとなく瞬時に判断し、こちらにあわせた語彙を使いわかりやすり比喩表現などを使って物事を説明してくれる。

優秀なセールスマンやマーケーターや講師なんかは、その能力が驚くほど高い。ところが聞いている方は、わからない。わからない、難しい表現や言葉を相手が使わないからだ。なんかこの人、わかりやすい話をしてくれて使ってる言葉も同じだし同じくらいかなあと思ってたらとんでもないことになる。相手はこちらに合わせて使う言葉やロジックを変えている可能性が高いからだ。

300キロで走れる能力がある車がこちらに合わせて80キロで走ってくれているようなもんだ、100キロがマックスの80キロとは全然違うのだ。

偉い人や優秀な人に本を読む人が多いし、その人たちは本を読めと言うのは、感覚的にこの語彙とか文法の大切さをわかっているのかも知れない。理論が難しすぎてわからないときも、例え話なんかでわかりやすく言ってくれる人も優秀だが、その知識も本から得たのかも知れないしね。

日本人である我々の脳は日本語で動いている。あらためて思う、どうやら高いコミュニケーション能力のベースには正しい日本語能力が必修だ。これは論理的思考にほかならない。

aはb
bはc
だから
aはc

というような筋道が通った
三段論法と

so what?
why so?

で進めていく、階層に分かれたピラミッドストラクチャ

階層を支える

MECE

なもれがなくダブリがない分け方

をベースに単語をルールに従って並べていくというのがビジネスにおいて高いコミュニケーション能力を維持するということになるのではないかと思う。コミュニケーションは相手が合って始めて成立するもの。その相手にわかりやすく事を伝えるためには絶対にわかりやすい論理的な話をする必要があるのだ。

そのためには相手が何を話しているか、問題は何かというのを聞き取る

issue

が何かを判断する能力も必要になってくるのだけれどもね。

もうすでに30年ビジネスに関わってきたのだけれども、仕事をしていくなかで何より大切なのは、やはりコミュニケーション能力なのではないだろうかと思う。