「異様やでそのこだわりは」
と、
「最近、肋骨が作る胸郭が後ろにも丸いってわかって息がしやすくなったってわかってん。後ろは平らやとおもてたから」と言った時に友だちから言われた。その時にもうひとり同席していた鍼灸師で整体師の友が「そんな細部まで身体の事を考えている人ってプロ以外にいないですよ」と言った。
サーフィンやゴルフを教えていると技術を習うにおいて正しく立てていない、正しく身体を使えていないケースを目にすることが多い。私が教えるサーフィンやゴルフは身体の構造に無理や負担をかけない、人間が自然に正しく動く中で形を作っていこうというものなので、何よりも正しい姿勢や歩き方座り方を重視する。
サーフィン上達したい、ゴルフを上達したいから技術を学びにくる。その時に、なるほどあなたが上達しないのはその姿勢ですねと思う時があり、まずはそっちからですねというが、ほとんどの人はそんなのいいから手の動かし方足の動かし方を教えてと言う。いやいやまずは立ち方ですよ、こんな感じで立つんですとやっても、いやいや先生クラブはどうあげるのですかってなる。
具体的に言うと
立ち方や歩き方が悪く股関節や骨盤が上手く使えていない人が多い。そこがうまく動かないから身体のあちこちにゆがみが生じ歪みを筋肉で支えているからこりや硬さがでてくる。特にゴルフのバックスイングは骨盤を自然に前傾させて右股関節の上で身体を回転させるのだが、そこが固いとそれを腰椎でおぎなおうとして腰を痛める。
だからまずは正しく立ちましょう、そして座りましょうと言うのだが全然言うことを聞いてくれない。お客様にはそれでも教えるが、弟子には正しい姿勢ができるまでクラブを持たせない。それほど大切なのだ。
人間の背骨はS字にカーブしている。骨盤の上はやや反り、胸の裏あたりはゆるやかに丸まっている。胸を思い切り張って背中をまっすぐを良い姿勢とする由もあるが、間違っている。肩を下に落とし胸郭の丸みを感じながらやや猫背気味が正しいのだ。それに伴い首はまた少し反りその上に頭がのる。
スマホ首というのが最近はやりだが、それはスマホばかり見ていると頭の重さで首の反りがなくなり、ストレートネックと言われるものになり首こりや肩こりにつながってくる
座るときはしっかり坐骨で座る。そこで座るとやや骨盤が前傾する。立っているときと同じなので上はキレイにS字を描く。肩甲骨をさげ腕と肩を下にさげた状態でうまくキーボードを打てるように高さ調整すると座ってパソコンを打つ作業も負担にはならない。もちろん何分に一回は立ち上がって動き回るって必要だけどね。
きれいに立つというのは、例えば人前で話したりする人にとても優位に働く。肩が下にさがり肩甲骨もさがって胸から肩あたりの力が抜けると重心がへそのあたりまで下がってくる。立っている姿がとても安定しているので、落ち着いて見え、聞いている人に安心感を与える。人前であがるという事があるが、それはまさに重心が上がることこからきており、非常に不安定に見え、聴者をも不安にしてしまう。
姿勢ってものすごく大切なのだ。
サーフィンをやるときは逆にこの不安定を利用する。初心者の頃は安定を求めて膝を曲げ骨盤を前傾させてサーフボードの上に立つことで転ばないを目的にするのだが、上級者を目指すときは、板をどんどん動かしてアクションを入れる必要がある。安定していては板が動かないので不安定をわざと作る。
お尻の穴をしめ、骨盤の前傾をときまっすぐもしくはやや後傾にする。それで重心があがり不安定になる。不安定は板を動かすので、その中でサーフィンをするのが上級者なのだ。白人や黒人の子供は骨盤がおもいきり前傾している感じでおしりをプリプリさせて普段は歩いている。でもサーフィンをしだすと骨盤を後傾させ股間の部分を空に向ける。そうやることで板が動くことを知っているからだ。
だったら普段から骨盤が後傾気味の日本人がいいのじゃないのというとそうではない。骨盤前傾がデフォルトだから後傾にする感じがより一層感じられる。普段をしっていて普段と違うことができるのがいいのだ。
実は水泳も骨盤を後傾というか立てる。前傾しすぎるとS字がですぎてそれはそのまま抵抗になり、進みづらくなる。骨盤を立てて背中もまっすぐにして、重心を上に、もっていく。足は重いので普通にやると足が沈む。骨盤をたてて、まっすぐすると抵抗がなくなると同時に重心が上にあがる。それが横になるので、胸辺りに重心がいき、まえがかりになり足が浮く。
その状態が一番抵抗がないので少し手を動かせば身体はガンガン進む。泳げない人は浮けない人、もしくは浮くことを知らない人。浮くことができれば人は絶対に泳げる。浮くことを知っていれば焦って溺れることはない。
胸郭が後ろにも丸いことを知って呼吸が深くなった。酸素を多く取り入れることができると何か身体に良さそうじゃないか。
肝は骨盤にある。正しい位置をしり大いに動かそうではないか。