天岩戸とは日本神話に登場する話らしい。
友達がはなしている途中にいきなり
「みさおさんはあれやな、あまのいわとやな」
と言った。あまのいわとという言葉を聞き取れなかった私は、ひととおり話を聞いたあと
「今なんて言った?あまの、なんて」
と聞き返した。すると彼女は
「あまのいわとやん知らんか?天照大神の話」
すると、横で一緒に話をしていたもう一人の友達も、ええ、知らんのと、たいへん驚いた様子で言った。まったく始めて聞いた言葉が、知らんなんてありえへんという感じの現場にはたまに出くわすが、多くの人が知っているであろう逸話を私は知らなかった。
一気にテンションがあがったわたしは、なになにそれ、教えて〜と懇願したら、それは日本神話にある逸話で、天照大神が何らかの理由で洞窟に入ったのだと、逸話の話を始めてくれた。
天照大神は太陽の神様で、彼が洞窟に入ったことによって世界は闇に包まれた。それなのに、洞窟の扉の前では、他の神様たちが、やんややんやと大騒ぎしている。ん?なんだ?俺がいないから世界は真っ暗なはずなのに、こいつらはなんて楽しそうなんだと、その扉を開けて外をのぞいた。
その瞬間、天照様、どうぞ外へと誰かが手をひっぱって再び世界が明るくなったという話。
そこにどういうメタファーが含まれているかわからないが、その友達は、みさおさんは同じことをやっていると言ってた。なんか、何をやっているか、何をどうしたいのかよくわからんけど、なんかしらんけど楽しそうや、ちょっとみてみようって感じだよみさおさんの印象はと、言われた。
おおおおお、なるほどと一瞬で腑に落ちた。一瞬で腑に落ちたのには実は理由があった。
しんちゃんという友達からずっと言われていたからだ。みさおさんは、好きに生きればいいんだよって言ってるわりに、表現はそうはなっていないと。楽しく生きるためには、こうやらなあかんみたいなのがある。そうなってくると、楽しいことがしたい人がみさおさんの周りにはこない気がすると言ってた。
うーん、わかるようなわからないような、なんか難しいなあ、どういう意味かなあとずっと考えていたのだ。それが、あったから、ともだちのあまのいわとの喩えを聞いた瞬間、おお、しんちゃんの言ってたことはこれかと一気に腑に落ちたのだ。
楽しそうやけど苦しそうと、しんちゃんは、禅問答のような言葉で教えてくれたが、そういうことだったのね。
まあ、あれだね、背中で見せる職人に似ているね。背中を見せるお父さんとかにも近いか。こうやれとか、ああせえとかって、意外に上手く伝わらないなあって思ってたけど、そういうことなのかもしれないね。
週末のパーティーに参加してえた貴重な体験。しんちゃん、ひろみさん、ありがとう。