英語が聞き取れないのは音だけの問題ではない

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英語の文型は5つに集約されるという理論に英語5文型というのがある。

中学高校で習ったかどうかはわからないが、一度はお聞きになったことがあるだろう。英語の5文型は、第一文型から以下のようになっているが

1sv
2svc
3svo
4svoo
5svoc

これを覚えるための英語ラップが面白くお薦めなのでよろしければみてみて


ラップでも歌われているとおり、英語は主語であるsと述語であるv、それに目的語のoと補語のcで成り立っている。その組み合わせはわずかに5つしかないんですよってのが5文型の考え方だ。英語は言語学の対象としていまも研究され続けていて、5文型が本当にそうなのかって意見もあるようだが、まあ正解として取り組めばいいだろう。それで充分ことたりるからね。

ここで朗報がある。

実はs/v/o/cのそれぞれに使われる単語の品詞は限定されているのだ。vに入るのは動詞しかないのだ〜〜、すごいよね。vには動詞しかこないんだよ。だからもしあなたが食べるという単語eatを使いたかったら、Sの後に置けばいいのだよ。で、もし英文にeatを発見したらそれは動詞で、その前にはsがあり、その後には何もないか、cかoがあると予想されるんだ。

いやいやそんなこと言うけどvの前にあるsが何かわからないかったらvの位置が特定できないじゃん。eatとかcookとかだったらわかるけどcomplicateとかでてきたらそれが動詞かどうかなんてわからないじゃん。

ですよね、でもね、そんなときも予測をつけれるんだよ、なにせsになれるのは、名詞か名詞相当語句しかないからね。だから、名詞とか代名詞とか動名詞がでてきたら、それはおそらくほとんど高い割合でsなんだ。だから例えば

she complicate him.

ってでてくれば、sheは代名詞で、しかも一番最初にでてくるからsだろう。そうするとその次にでてくるcomplicateは動詞でvの可能性が高いと予測できる。ここでさらに朗報がある。

なんとoに使えるのも名詞か名詞相当語句しかないのだ。ということは、このhimはoの可能性が高い。ところが実はcにも名詞が使える。ラップにもでてきたがcは名詞か形容詞。なので、このhimはcの可能性もあるということ。

ところが、それはないと一発で断言できる。第二文型のsvcにはs=cの関係が成り立つ。代表的な文は

He is a teacher.

これは典型的な第二文型の文章でs=cである。彼は先生なのだからイコールの関係が成り立つ。では、先程の文章はどうか。意味は彼女は彼を紛糾させるとか困難にするという意味だが、she=himではないので、これは第二文型ではない。

複雑になるので追求しないが、この文は第三文型でsvoになる。oは目的語で目的語をとれる動詞は他動詞。complicateは他動詞なのでこの文は第三文型になる。

このパターンがわずか5つしかなく、そこに使われる品詞は、名詞、名詞相当語句、動詞、形容詞しかない(例外はある)これを使わない手はないのである。この文章は5文型のどれにあたるのか?これはsなのかoなのかを品詞を頼りに探る。
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そうやって読んでいけば、構造がわかってくるようになり、長くて複雑だった文章が霧が晴れたように見えてくるようになる。ちなみに、文章を構成する要素はsvocだが、それ以外のものは、すべてM、修飾語である。文章の骨格であるsvocをより華やかな素敵な文章にするためにMがあるのだ。

あのクソ長い複雑にからみあった現在完了をともなった関係代名詞や関係副詞もsvoに長いMがついているだけなのだ。

I met a girl who lives in Japan.

は第三文型。Iがsでmetがv。aは冠詞でgirlを修飾するm。whoは関係代名詞で、後ろの文のsを兼ねている。後ろの文は全体がMでgirlを修飾している。後ろの文は、svの第一文型。in Japanは前置詞と名詞で前置詞句というのを作っていて、それはliveを修飾する副詞句。ちなみに形容詞は名詞を修飾して副詞はそれ以外を修飾する。

こうやって、書くと一気にややこしくなり頭がいたくなるが、英語を学ぶ初期の段階で、このルールを徹底的にやる。そして、たくさんの文章をこのように分解分析していくことで明確になってくる。パターンが脳にどんどん蓄積されてくる。そうなると脳は進化する。

I metと耳から聞こえてきた時点で、俺はoを待っている。『私はあった』で話を終わらせるやつなんていないでしょ^^ネィティブのともだちが、I metっていったら、誰に?何に?って感じで待ち構えている。その時点で、友達の言葉はイメージにかわっているから、聞いた瞬間にI metを忘れている。

TOEICのリスニングなどで、文章がながくなったり、会話が2度3度行き来したら、途端にわからなくなるのは、このように、前からどんどんイメージに変えていけないからだ。戻り読みをしていると、最後まで聞かないと訳がでない、そのためには全部おぼえておかなきゃってなる。そりゃ無理ですよ。

続けるね。

おおおお、お前は誰かにあったのね、で誰なの?と待っているとa girlとくる。ほお〜、少女にあったのね、了解。で、aというのは、二人にとって未知の少女、共通認識のない名詞につける不定冠詞だから、知らんのね。少なくとも俺は知らんよね。だから、そのあとにgirlの説明があるやろうなと予測できる。

おお、少女にあったんやな、そいつがどうしてんって感じでまっていると、who live in Japanと説明が加わる。おお、日本に住んでいるという少女にあったのだねってなる。で、それで、それでってなる。

このように聞いていると、英語が速くて速くてやめて〜ってならない。逆に、おお、おお、それでそれで、どうしたん、もっと速く話して、そのごの展開どんどん聞かせてってなる。

これは、文章を聞いた順番に解釈していっているからだ。I metのあとにa lunchはこない。会うのはだいたい人だからだ。I ate のあとは大体食べ物になる。そこにhimとかがくると、まったく違う話になってくる。

もちろんネィティブのはなす発音になれることは大前提である。実はこれ、そんなに難しくない。每日每日聞いていれば音になれてくる。音のなかで、知っている音の組み合わせ、つまり知っている単語があれば、それは耳に残る。かなり親しんでいる単語、例えばcarとかなら、日本語を解さずに、イメージになる。車の映像が脳に浮かぶだろう。

ところがcomplicateだとそうはいかない。知らなければ耳に残らないし、意味を知っていれば耳に残るが、それが定着していなければ、複雑にするっていう日本語に訳している瞬間に、目の前の友達は、どんどん話続けている。わたしは、ようやくこのcomplicateが完全に定着し、この音を聞いた瞬間に、電気の配線コードが複雑に絡み合った映像が浮かぶようになった。聞いた瞬間、なんかややこしくしよったんやな、主語のやろうがってイメージが浮かぶ。

単語はここまできて、はじめてつかいこなせるようになる。これを語感という。ほとんどの人はcarに語感を持っている。ところがhipopotamasやcomplicateに語感がない。carは英語を習い始めた初期にでてきて、それから何百回も聞いたから、語感を持った。そういうことなのだ。

あなたが英語を聞き取れないのは、音の他にも、それだけの要素があったのだ。

英語を頭から理解する。そのためには文型というパターンを知っておく。そして単語を語感があるレベルまでしていく。

toeic満点にはおよそ9000語の語彙力が必要と言われているが、会話で使うのはおもに3000語前後。語彙数を増やす作業に並行して、知っている単語を、聞いてイメージが瞬間的にわくレベルにしていく作業もおこなう必要がある。

complicateに語感がつくまで1年以上要した。長い間complicateを聞いたら、瞬間的に、日本語訳、「複雑にする」ってでてくる状態が続いた。でもこれでは全然スピードが足らない。瞬間的にコードが絡み合っている映像が浮かばないと使えないのだ。

だから、英語を英語で理解しろといってるだろ、だからネィティブから英語で習う方法がいいのだってのがはびこっているが、そんなものはどちらだっていい。日本語で単語の意味を覚えても、それはやがて、すべてイメージに変わっていくから心配ない。

appleって単語の意味を覚えた時を思い出して欲しい。apple=リンゴってノートに書いたでしょう? 日本語で意味を覚えたでしょう。でも、今はどうなってる? appleって聞いた瞬間に、あの赤い美味しそうな果物が浮かぶじゃないですか。リンゴって日本語に訳してから、赤い果物の絵に変換するほうが難しいと思うのだ。

だから、そんな心配しているなら、どんどん覚えて、語感をつけて行って欲しい。

試合後のインタビューで、記者からなの長い質問を聞いている錦織圭とかは、確実にそんな処理をしている。記者の質問をどんどんイメージに変換し、聞かれている意味を理解し、どう答えようか考え、答えている。

そこに行きたいあなたがとる最短の方法が、このメソッドだ。

英語は最小ユニットである単語をルールにしたがって並べたものにすぎない。そのルールを覚えて、単語の意味を語感になるレベルまでにすれば、英語なんて、なんにも怖くない。

あなたが英語が聞けないのは、そのやり方を知らないという理由と、圧倒的に量が足りないという理由からだ。

とっととルールを覚えて、やりまくろう。